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新しき絆

「このままあの事務所に居ても安全とは限らないわ… 正体がバレたら美神は私を見捨てるだろうし、あの事務所の除霊は危険だからいつ何があっても不思議じゃないわ」

タマモは横島を見つめて話した

横島はタマモの話を聞いて考えていた

確かにあの事務所の除霊は危険が多い…

いかがわしい仕事や法律違反な仕事も多い…

令子の性格を考えたら、タマモよりお金をとるだろう…

自らの地位やお金の為ならタマモを見捨てると思った


「そうだな… お前が人間社会で生きていくなら魔鈴さんの店が一番だな… 俺も魔鈴さんに誘われてたし、しばらく側に居れば大丈夫だろう…」


横島は少し考えてタマモに言った

「じゃあ…」

タマモは嬉しそうに横島を見た

「ああ、俺の卒業と同時に魔鈴さんの店に行くか…」

タマモのあまりの嬉しそうな顔に、横島も笑顔で答えた


「わかったわ! シロは任せて、私がなんとかするわ」

タマモは元気よく言った



こうして、横島とタマモとシロが美神除霊事務所を辞めるのが決まった…


次の日…横島は夕食を食べに魔鈴の店に来ていた

「魔鈴さん、俺…卒業したらここでお世話になります。 シロとタマモと一緒にお願いします」

横島は厨房で休憩していた魔鈴に、真剣な表情で話した


魔鈴は嬉しそうに微笑んだ

「本当ですか!? 良かった~ 心配してたんです」

魔鈴のあまりの嬉しそうな表情に横島は驚いたが…



「いろいろ迷惑かけるかもしれないっすけど… 俺、頑張りますからお願いします」

魔鈴に頭を下げて頼んだ


魔鈴は横島の前に行き、横島の手を握った…


「いんですよ… 一緒に頑張って行きましょう!」

魔鈴は横島の手を握ったまま優しく話した…


横島は魔鈴に手を握られて顔が赤くなっていた…

女の人から手を握ってくるなど、経験の少ない横島は迫られるのに弱かった…


「魔鈴さん…」

横島はこんなに喜んでもらうのが、不思議で仕方なかった


「後は、卒業を待つだけですね~」

嬉しそうに料理を始める魔鈴に横島は理由を聞けなかった


その日横島は、いつものように夕食を食べて帰った…



それから一週間ほどしたある日…


成田空港に一人の女性が降り立った…



それはその日から1ヶ月ほど前に戻る…


ナルニアの横島の両親は愕然としていた…

調べさせた息子の資料を見て言葉も出なかった…


一年前の謎の事件から、現在までの息子の様子が書かれていた…


魔族による核ジャック事件…

その真実もそこには書かれていた


極秘と書かれた資料を見た大樹と百合子は信じられなかった…


「あなた… この内容は本当なの?」

さすがの百合子も内容の真偽がわからなかった


「本当だ… クロサキが苦労して集めた資料だ… それは政府でも一握りしか知らない事実だ…」

大樹は拳を握りしめて話した


「あの事件… 何か裏があるとは思ってたけど… まさか息子が…」

百合子は涙が出るのをこらえきれなかった…


大樹は優しく百合子を抱きしめて、二人静かに泣いていた


「あなた… 私、日本へ行ってくるわ… こんなことになったのは私達のミスよ。」

百合子は落ち着いたら静かに話した

その目は力が戻っており、かつての村枝の紅百合と呼ばれた時と同じ目だった


「ああ… 行ってこい。 遅くなったが親らしいことをしよう…」

大樹は百合子にそう話した


それから二人は、横島の周辺人物の情報を集めた


中には美神除霊事務所の裏帳簿から…

魔鈴や雪之丞の現状など、横島に関わる人々の情報が満載だった…


そして百合子は日本に行った…


その日も天気は良かった

百合子は空港から息子のアパートに向かっていた


ガチャリ…


百合子は昼過ぎに横島のアパートに着いて中に入った


「あれ… あんた誰だ? 横島なら学校だぞ?」

目の前の目つきの悪い男は百合子にそう話した


「あなたは伊達雪之丞さんね? 私は横島百合子。 忠夫の母です」

百合子は驚きもせず、中に入って雪之丞に話した

「横島の母親…」

雪之丞は驚いていたが…

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