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GS横島 運命と戦う者

元々、Gメン1支部長でしかない美智恵

その美智恵がアシュタロス戦において、アシュタロス討伐の指揮をしたことをした事をよく思って無いGメン本部は、美智恵の左遷を決定したのだ


だが、これには少し裏もある

美智恵の時間移動能力を危険視する神族過激派が、Gメン本部に圧力をかけていた


一方、西条の左遷は美智恵のとばっちりである

美智恵の影響力をGメン日本支部に残さないように、西条も左遷されたのであった



「先生…どうしますか?」

西条は悩みながらも指示を仰ぐ


「移動は決定事項よ。 後は辞めるか、従って再起のタイミングを待つかよ」

美智恵は気丈に話すが、かつての勢いも力も無い言葉だ


「令子ちゃんはどうしますか? 今先生と僕が日本を離れれば彼女は一人になります。 六道冥子さんはまだ味方をしてくれますが、六道家はもう距離を開けてます」

西条は状況を話して自身も考えるが、どうしていいかわからない

エリートな西条では、ここまで来ると判断が出来なかった


「一晩考えさせて…。 このことは他言しないでね」

美智恵はそう話して、部屋から出ていく



その夜、西条は都内のバーで一人酒を飲んでいた

(僕はどこで間違ったんだ? 多くの弱者を救済しようとオカルトGメンに入ったのに…)

西条は過去を思い出しながら自問自答をしていく

「マスター、おかわり…」

西条は無言で酒を飲み続ける


(僕は確かに先生や令子ちゃんには幸せになって欲しい…、だが仕事は仕事で割り切っていたはずだ…)

西条はどう考えてめ左遷は納得がいかない

プライドを持ち、仕事をしてきた自信がある

そんな自分が何故こうなるのか…


カランカラン


ドアが開き、新しい客が入ってくる

「よっ! マスター、久しぶりだな…」

「雪之丞! 生きてたか? 忘れた頃にばっかり顔を出しやがって」

マスターは入って来た客と話をする

入って来た客はなんと雪之丞だった

雪之丞は西条に気づかずに、一人酒を飲みだす


「久しぶりだな… 雪之丞君」

西条は雪之丞を見ないで声だけかける


「誰かと思えば、西条の旦那じゃねぇか。 天下のオカルトGメンでも嫌なことがあるのか?」

雪之丞は驚き西条を見るが、西条は不機嫌そうに一人酒を飲むだけ

雪之丞はそんな西条にからかうように話した


ピクッ…

西条は酒を飲む手が止まる

「僕にケンカを売る気か?」

西条は雪之丞を睨む


「まさか~、罪も無いのに逮捕されたくねーよ」

雪之丞は笑って話すが…


「どういう意味だ? 僕が権力を乱用するとでも思ってるのか?」

雪之丞は口が悪い

この程度の軽口など日常茶飯事だ

西条もいつもなら、この程度の言葉にイラつきはしないだろう


やはり今日の西条はどこか変だった


雪之丞は西条がおかしいのに気がつくが、気にしない

「あんた、自分がやったこと理解してるのか? 横島やルシオラに何をしたのか忘れた訳じゃないだろ…」

雪之丞にしたら、西条が権力を乱用するなど前からだと思っている

美智恵と共に、横島とルシオラを犠牲にして、その上功績など美味しいとこは奪ったのだから…


西条は横島の名前に余計にムッとする

「あれは僕がやったんじゃない! 先生と令子ちゃんがやったんだ! 僕は常に弱者の為に頑張って来たんだ!」

西条は雪之丞に怒鳴る


「弱者の味方? よく言うぜ! 横島をあれだけ虐めておいて。 自分の気に入った奴だけを守るお前が、弱者の味方だなんて言えねーよ」

雪之丞は馬鹿にしたように笑っている


「結局お前はあの親子と同じ。 自分の為に権力を使ってきたに過ぎない。 あの二人が裏でどれだけ汚いことしてるか、知らないとは言わせない。 美神令子の客の中には、料金が払えず首吊りした奴だって何人もいる。 お前はそんな奴を守って来たんだ」

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