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魔鈴心霊相談事務所始動!

「確かに美形だけど、あの中に入っても無駄でしょ? それに女がみんな美形好きだなんて思わないで欲しいわ」

からかうような横島に、可奈は少し不機嫌そうに一緒にしないで欲しいと言う

女がみんな美形をチヤホヤすると思われるのは嫌らしい


「そんなもんか?」

「そうよ。 別にピート君が嫌いとかじゃないけど、アプローチと言われるとする気はないわ。 まあ、ピート君に嫉妬する男子達にはもっと興味ないけど」

微妙に言葉にトゲがある可奈だが、横島はその言い分はなんとなく分かる気がした


(未来じゃ俺がピートにあからさまに嫉妬して、女子に嫌われたんだっけか? 確かに好かれる要素がなかった訳だ)

二度目の高校生活ゆえに分かった事に横島は複雑な気分である

ピートに嫉妬して結局は自分の首を絞めてただけなのだから笑えない過去だった



そのままこの日も普通に授業を受ける横島達だが、昼休みに音楽の先生に音楽室に呼ばれて行くと人が居ないのに音の鳴るピアノがある


「昨日からこうなのよね~ 貴方達で除霊してちょうだい。 頼んだわよ、除霊委員」

どうやら横島やピートがGS免許を取った事実を聞き付けた一人の教師が、学校の霊障を横島達に解決させようとしたようである


「何で私まで……?」

一方適当な役職を付けて音楽室を後にして行く教師に、愛子は戸惑っていた

まさか妖怪の自分が除霊する側に回るとは、夢にも思わなかったのだろう


「どうします?」

集められたメンバーは横島・ピート・タイガー・愛子だが、ピート見たさの見物人の生徒が廊下にたくさん集まっている

そんな中でピートはこの場をどうするか尋ねるが、横島は深いため息をはく


「タイガーはともかく、俺とピートは勝手に除霊なんぞしたらダメなんだぞ? 失敗して怪我人出したりピアノ壊したら誰が責任取るかわかってるか?」

「えっ!?」

呆れたような横島の言葉に愛子は驚きの声を上げ、ピートやタイガーのみならず廊下の見物人達も驚き横島の言葉に耳を傾けていた


「俺とピートは見習いGSだからな。 除霊をすれば全部責任が師匠である、めぐみや唐巣神父に行くんだ。 ピートお前GS免許の資料読んでないだろ? タイガーのような一般霊能者より俺達は責任問題が難しいんだぞ」

横島の語る見習いの事実にピートの顔色は悪くなり、愛子や他の見物人は呆然と横島を見ている

これほど真剣でまともな事を言う横島など、今まで見た事がなかったのだ

まあ当然横島は今回の犯人を知っているが、悪い前例を作らない為にも筋を通す必要を感じている


「横島君、じゃどうするの?」

「とりあえず音楽室は封鎖して放課後にめぐみに来てもらうよ。 ピートとタイガーも神父とエミさんに連絡しろよ」

呆然とした愛子がどうするか尋ねると、横島は音楽室を出て立入禁止にして職員室に向かう

そして見習いが勝手に除霊出来ない事や、責任問題をはっきりさせる必要があると教師に告げていく


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