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あの素晴らしい日々をもう一度

「メゾピアノねぇ。 私も知らないわよ。 だいたい世の中に妖怪なんてどんだけ居ると思ってるのよ。」

一方音楽室の鳴り止まないピアノの怪事件の解決は唐巣に丸投げしようという横島の思惑が見事に外されてしまい、危険はないからと唐巣は横島達で解決してみるようにと再び問題の解決は横島達に委ねられることになってしまう。

唐巣とすれば横島達の修行にはちょうどいいからと気を利かせたようであるが唐巣の教会で対策を考えることにした結果、やはり横島は真剣に考えることなく唐巣が茶菓子にと出した肉まんをばくばくと食べるのみである。

暇だったのかおキヌを連れた令子も唐巣から事情を聞いたので来ているが、令子もまた金にならない上に好みの事件でもないので助ける気はないらしい。


「横島君も考えなさいよ!」

「そんなこと言われてもなぁ。 誰も居ない夜にでも学校に行って小竜姫様の竜気で吹き飛ばしてもらうか?」

「横島さん、それは流石に……。」

先程から真面目に考えてるのはピートとタイガーと愛子のみであり、全く考える様子がない横島に愛子は流石に一緒に考えるようにと声を荒げる。

ただここで横島が少し考えて出した除霊方法は至極シンプルで虎の威を借る狐のごとく小竜姫の力で吹き飛ばして従えることだった。

確かにその方法だとメゾピアノはひとたまりもないが、そんな除霊方法を考えるのは最近小竜姫に甘やかされている横島かゴキブリを始末するのに核兵器を頼もうとする令子くらいだろう。


「要はあの妖怪が気持ちよくピアノ弾けなきゃいいんだろ? しばらくあいつが苦手そうなお経でも音楽室で四六時中流したらどうだ? 自分のピアノの音が聞こえなきゃ諦めるだろ。」

だが横島の案はピートとタイガーにより脚下される。

令子は小竜姫に聞いて小竜姫がいいならいいんじゃないと言いたげであったが唐巣は渋い表情をしていたし、何より生真面目なピートは流石にそれは後が怖いらしい。

そして相変わらず自分が戦わない裏技のような方法はすぐに思い付く横島は、次には音楽室での嫌がらせのような方法を思い付く。

場所が防音設備のある音楽室なだけに四六時中メゾピアノが嫌いそうなお経でも大音量で流せば諦めるだろうと考えたようだ。


「いや、横島君。 普通はね……。」

どうしても正攻法よりは楽な裏技に走る横島に令子は尤もだと満足げに頷くも、唐巣は渋い表情でそれは普通ではないと言いかけるがここで口出ししては意味がないと自重する。


「お経ですか? 確かに改心させるには悪くはないような……。」

結果として横島の場合は嫌がらせをすれば止めるだろうと考えただけなのだが、なんとなくメゾピアノが好きではないようなお経でもと口にした結果ピートはメゾピアノを改心させるにはちょうどいいかもしれないと横島の考えを美化してしまい横島の案に乗ってしまう。


「じゃあ、今夜からやってみましょう。」

結局他にいい方法がなかったことで横島達はメゾピアノに対して嫌がらせ紛いの方法を取ることになり、唐巣を苦悩させることになる。

ちなみにメゾピアノに関しては大音量のお経を一晩中流された結果、朝には音をあげてしまいあっさりと解決してうことになるが。


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