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あの素晴らしい日々をもう一度

一方この頃の小竜姫は日中は雪之丞の修行を見たり令子の除霊を手伝ったりしていた。

雪之丞も実力的には一般的な除霊が出来るので令子が除霊に連れて行くようになっており、小竜姫もそれに同行して手伝っている。

基本的にはあまり小竜姫に頼らない令子であるが、時々頼っては除霊の経費を浮かせていた。

令子としては小竜姫をどの程度使っても大丈夫なのか見極めたいようである。


「やっと見つけました。」

そんな小竜姫であるが令子の思惑を半ば見抜いてはいるものの、自分と横島の平和な生活の為には令子の協力も必要なので特に気にしてない。

何よりここ数日はおキヌの話を聞いたりしておキヌが生き返る事件の調査で忙しく、この日はおキヌの話から人骨温泉郷まで密かに来ていた。


「すでに目覚めてますね。 さてどうするべきか。」

あまり時間もないので空を飛んで人骨温泉郷まで来た小竜姫は、話に聞いた温泉付近を調査して地中深くに潜む死津喪比女を見つける。

だがこの時の死津喪比女はすでに目覚めて地脈から霊力を吸収し力を蓄えてる段階だったのだ。


「私が退治するのは簡単ですが……。」

問題なのは小竜姫が知るのは世間話程度に聞いた雑談程度の内容だということだった。

いかに地中深く潜む相手とはいえ小竜姫ならば退治するのは難しくはないが、武神である小竜姫におキヌの反魂の術は使えない。

加えてこの先横島や令子がアシュタロス絡みの事件を生き残るには、未来にあったような数々の事件の経験は必要不可欠になる。

令子が小遣い稼ぎに自分をあてにするくらいならば構わないのだが、生死が別れるような事件まで自分をあてにされて弱体化されては困るのだ。

今のところ罪に問われてないが、偶然とはいえ過去に来てしまい過去を改変した自分がいつ処分されるかなど分からないのだから。

まあ実際は小竜姫を処分するとアシュタロスの反乱が逆に成功するきっかけになるので処分したくても出来ないのだが。

ただここで難しいのはすでに世界は別の未来へと歩み始めていることであり、令子達に任せてしまい失敗する可能性も十分にあることだろう。


「今しばらくは大丈夫でしょうが。」

死津喪比女に関してはすでに放置出来ない状態ではあるものの、だからと言って今日明日にでも暴れるほどでもない。

メドーサの動きも未来と同じか分からず気になるので、当面は様子を見ながら横島や雪之丞を育てるしかないかと頭を悩ませることになる。





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