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魔鈴心霊相談事務所始動!

「彼女は一体何者でしょうか? 単純な霊力値では美神さんや唐巣さんよりは確実に上でしょう。 実力は解りませんでしたが、最低でも一流なのは間違いありません。 邪悪な波動はないので悪い人間ではないのでしょうが……」

教会を後にした小竜姫は妙神山に転移しようとしたが、ふと立ち止まって考え込む

横島の変化とまるでタイミングを見計らったように現れた魔鈴の存在には、何かしらの関係性がある気がしたのだ

それに横島が恋人を隠していたとの言葉にも小竜姫は疑問を持っている


「まあ、そう遠くないうちに全て話してもらえるでしょう。 横島さん……貴方の潜在能力は美神さんにも負けてませんよ。 次に会う時を楽しみにしてます」

考え込んでいた小竜姫だが、最後に教会を振り返りつぶやくように一言だけ言葉を発する

それは完全な独り言だったが、次の再会を純粋に楽しみにしていた小竜姫の本心でもあった

妙神山の長い歴史でもっと情けなく弱かった横島が、僅かなきっかけを与えたら大きく化けてしまったのだ

それは才能を見出だしてきっかけを与えた小竜姫にとって、何より嬉しい結果なのである

次の再会を楽しみに小竜姫は妙神山へ帰っていく



一方小竜姫が去った教会の中では、令子がやり場のない怒りでワナワナと震えているがそれをぶつける相手がいない

横島は令子から離れて魔鈴がピッタリと隣に寄り添っているため、令子が付け入る隙がないのだ


「美神君……」

「小竜姫様も疲れてるんじゃない? あのバカが私を越えるなんて…… もう辞めた人間なんて私には関係ないわ」

小竜姫が帰ると後は関係ないからと告げた令子は、おキヌを連れて早々に帰ってしまう

唐巣は心配そうに令子を見送るが、令子に唐巣の気持ちは届かない



その後横島達のGS試験合格の正式発表があった事が唐巣から告げられ、横島とカオスは順位不確定の特別賞として残りの試合が無くなった事も告げられた

そして魔鈴の事務所だが、唐巣の協力により何の障害もなくすんなり開設される事になる


《魔鈴心霊相談事務所》

それは除霊と言う言葉を嫌った魔鈴と横島が考えた事務所名である

人も人外も平等に共に歩むという、隠された理想も込められた事務所名だった

それはやがて歴史に名を残す存在へと歩んでゆくのだが……

その出発はやはり波乱に満ちたものだった



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