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GS横島 運命と戦う者

「ヨコシマ、いいの?」

ルシオラは心配そうに見た


「ああ、もしも悪い未来なら変えてやるさ! 俺は何があっても諦めない!」

横島は拳に力を込めて話した


横島の力強い表情と言葉を、みな静かに聞いていた


「では、引き受けるんだね? 世界GS協会には伝えておこう」

唐巣は結論を聞いて横島に話した


「唐巣さん、横島さんの護衛に私達神魔が同行します。 ヴァチカンにはよろしくお伝え下さい」

小竜姫は最後に唐巣にそう伝えた


「わかりました。 お伝えします」

唐巣は一瞬難しい表情になったが、すぐに返事をした


そうして、唐巣は帰ったのだった



一週間後…


横島、ルシオラ、小竜姫、タマモ、ワルキューレ、ヒャクメはヴァチカンに居た


ジーク、ベスパ、パピリオはお留守番になった


「まさか私がヴァチカンに来るとはな…」

ワルキューレは苦笑いしながら歩いていた


「ワルキューレはキリスト教系の魔族だったもんな」

横島は複雑な表情でワルキューレを見ていた
「一神教の総本山ですからね。 私でも場違いな気がしますよ」

小竜姫はワルキューレの気持ちを考えて話していた

一神教にとっては小竜姫でさえ歓迎はされないだろう



横島達はそんな微妙な空気の中、バチカン宮殿に入っていた



カトリックの総本山ヴァチカンはローマ法王を元首とする独立国家である


ヨーロッパの精神世界に絶大な影響力を持ち、当然GSとも重要な関わりをもつ


だが、横島はすでにGSでは無い

そして、他はみんな人外である


多少居心地の悪さを感じるがそれ以上の気持ちは無かった


「我々はあなた方が何者でも関係無い。 重要なのはラプラスに予言をさせることだ」

初老の枢機卿は横島達を気にする素振りも無く、説明した


「俺達もその方がいいですよ。 報酬は金塊で日本の妙神山まで運んで下さい」

横島も淡々と話を進める


現在の横島にはお金は必要無い

この先妙神山で長い時を生きるつもりなので、人間の紙幣よりも金塊の方がいいのである


「わかりました。 ではこれより先は、あなた方だけで行って下さい。 私との話はこの通信機で」

枢機卿は顔色を変えずに、事務的に話を進めた


地下にはたくさんの魔族や妖怪やらが牢に入れられていた


「こんなとこに、ずっと入れられるなんて嫌ね~」

タマモはジメジメした地下に嫌そうな顔をしていた


「実際、実力はそれほどでもない連中ばっかりね…」

ルシオラは牢の中で騒ぐ馬鹿を見て呟いた


「この結界で閉じ込めておけるのは、せいぜい中級魔中位くらいだ。 我々には役にたたん。 それに魔族は強くなるほど理性も強くなる。 人間界で本能にまかせて、無意味に騒ぐ馬鹿は中級魔下位がせいぜいだよ」

ワルキューレは牢の中で騒ぐ魔族を睨みつけて話した


横島達は奥に向かってあるいていった


「一番奥がラプラスです」

通信機からの声に従って横島達は一番奥にたどり着いた


そこだけガラス張りのような部屋で、特に厳重だった


「やっと会えたね… 魔神殺しの横島」

ラプラスは横島を見て不気味な笑みを浮かべていた


「魔神殺し…?」

横島は少し首を傾げた


「横島さんのあだななのねー 神魔界では、そう呼ばれてるのねー」

ヒャクメが横島に説明した


「君に会いたかったよ」

相変わらず感情の読めない表情でラプラスはゆっくり話した


「野郎にそう言われるのは気持ち悪いな~ 美女なら歓迎するがな~」

横島は軽い口調でラプラスに返事した


ルシオラ達は険しい表情で、ラプラスを見ている

決して油断出来る相手では無いのだから…


「君は私の予知を外した唯一の人間だったからね…」

ラプラスは静かに話した


「予知を外しただと?」

ワルキューレは少し驚いた表情でラプラスに話した


「未来は数限りなくある。 だが、人間が選べる未来は少ない… 横島忠夫はそれを超えたのだよ。 ワルキューレ」

ラプラスはニヤリとしてワルキューレに話した

ルシオラ達を始め、ワルキューレやヒャクメも人間に化けているが、ラプラスには通用しないらしい

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