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それぞれの想い

乾杯を終えた店内は賑やかに食事を始めていた


「美味い! 美味い!」

「うぉー! 久しぶりのご馳走ですジャー」

雪之丞とタイガーはテーブルに山盛りの皿を並べて、競うように料理を食べていく


「小僧ども、ワシの分が無くなるじゃろうがっ!」

「小鳩! 早う食わんとなくなるぞ!」

雪之丞達に触発されるように、カオスと貧もガツガツと料理を食べて始める


「貧ちゃん…」

少し恥ずかしそうに俯く小鳩、さすがにそのメンバーに交ざり食べる勇気は無いようだ


「小竜姫様にヒャクメ様、お久しぶりです。 まさかお二方までいらっしゃるとは…」

別のテーブルでは恐縮した様子の唐巣が、律儀に小竜姫達に挨拶に来ていた


「横島さんにぜひ来て欲しいと言われたんですよ。 たまには人界に食事をするのも悪くないからと言われましてね」

恐縮して緊張気味な唐巣に、小竜姫は楽にするように促す


「一緒にペット生活をした仲なんだし、横島さんに誘われたら来ない訳にいかないのねー」

酒を飲み楽しそうに笑っているのはヒャクメである

「ヒャクメ、飲みすぎたらダメですよ」

いつもより飲むペースの早いヒャクメに軽く釘を刺す小竜姫だが、彼女も同じように飲んでいた


「神父も飲むのねー」

なかなか緊張が解けない唐巣にヒャクメは酒を飲ませる


「すいません。 頂きます」

何やら忘年会の上司と部下のようになっているヒャクメと唐巣だが、それはそれで楽しそうだ



そして別のテーブルでは銀一とピートが、エミや冥子や愛子や小鳩に囲まれていた


「あの女性達もGS仲間なんですか?」

銀一が少し不思議そうに見ていたのは、小竜姫達やワルキューレ達である


「違うわ。 あっちは神族で、もう一組は魔族なワケ」

簡単に説明するエミだが、銀一や愛子や小鳩は驚いたように目を見開いてしまう


「始めて見た…」

始めてみる神魔族に驚きが収まらない銀一、それだけ一般人にとって神魔族は遠い存在なのだろう


「全部横島君が呼んだのかしら?」

「そうだと思うわ。 神族と魔族の両方同時に呼べるなんて、普通は無理なワケ。 まあ、横島だから出来ることよね」

不思議そうな愛子に答えるエミだが、彼女も感心半分飽きれ半分と言った感じだ


「横っち…」

銀一は改めて横島がわからなくなっている

先日会った時はただの荷物持ちだと言っていたにも関わらず、悪霊を除霊して飛行機を操縦した

そして今後は神族や魔族を呼んで一緒に食事をしているのだ

普通の常識では理解出来ないのだろう


「横島君って実際GSとしてどうなんですか?」

そして実際横島が霊能力を使ったのを見たことが無い愛子も、その実力に疑問を感じていた

妖怪なども差別しない優しさなどは理解しているが、どうも実際の力量が見えてこない


「横島君は凄いわよ~ だってアシュ…」

「冥子! それは言ってはダメなワケ!!」

普通にニコニコと真実を話そうとする冥子の口を、エミは慌ててふさぐ

まさかこの場で話すとは思わなかったエミとピートは、かなり慌ててしまう


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