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真の歴史へ・その四

一方小竜姫は美衣と二人で夕食の買い出しに出掛けていた

なんと言っても同居人や食客が多いだけに、一回の買い出しにもかなりの量を買うことになるのだ

一人だと持ち切れないだけに二人か三人で出掛けることが多い


「いらっしゃい、今日はアジが安いよ」

さて小竜姫の買い物だが、基本的に一番近い商店街に行くことが多かった

まあ値段だけならばスーパーの方が若干安いのだが、一回に結構な量を買い込むだけに近所の商店街の方が便利だったりする


「美味しそうですね……」

魚屋に顔を出した二人だったが、本日のオススメのアジを見て美衣の表情がパアッと華やかになっていた

鮮度や脂の乗り具合も美衣の好みに合うらしい


「じゃあ、アジを三十匹お願いします」

「いつもありがとうね。 ちょっとオマケしとくよ」

美衣の表情から今日の夕食はアジにしようと決めた小竜姫は大量に頼むが、店主は慣れてるらしく驚くそぶりもない

少しスケベそうな視線が小竜姫や美衣に向けられるが、いつもの事だしその分オマケしてくれる典型的なスケベ親父だった

ちなみに小竜姫達が帰った後魚屋の親父はオマケし過ぎて奥さんに締められるのだが、小竜姫達には全く関係のない事である


「すいません、鶏のモモ肉を十キロください」

その後も商店街を周り大量に肉や野菜などを買い込むが、一見すると若い女性にしか見えない二人が大量の買物袋を軽々と持ち歩く姿は、商店街ではちょっとした話題の光景だった

流石に竜神と猫又が買い物に来てるとは誰も気付いてないらしい

しかも買い物に行くメンバーが日によって違う為、どこかの施設かなんかの買い出しだと思われてたりする


「美衣さん達の今後なんですが、もしよかったらこのまま家で働きませんか? 正直家事の出来る美衣さんが居なくなると大変なんですよね」

買い物も終わり帰路につく二人だったが、突然小竜姫が現在保留のままの美衣達の今度について語り出した

実は美衣は横島事務所に来てから自発的に家事などを手伝っていたが、その労力がなかったら正直家事が大変なのだ

以前はおキヌや小鳩が手伝っていたからよかったが、彼女達が学校に通うと労力が足りなくなっている

ルシオラが研究や調査で忙しい為に小竜姫とタマモが中心に家事をしているが、二人は事務所の仕事もあり楽ではない

小竜姫としてはこの際に美衣を家政婦として雇えないかと考えていた


「私としては願ってもない話ですが、よろしいのですか?」

小竜姫の提案に美衣は前向きな考えを告げるも、横島達にはいろいろ秘密があるのも感じており若干不安なようだ


「ええ、美衣さん達親子が困るような事態にはしませんよ。 ただ私達は簡単に人を雇う訳にもいかないので……」

小竜姫は美衣の不安の理由を察して、美衣達が困るような事態にはしないと約束した上で美衣を正式に雇用することに決めた

今後もアシュタロス関連の事件で事務所を空ける可能性もあるため、きちんとした主婦が一人欲しかったのである


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