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幻の初恋

それからどれだけ時間が過ぎただろう…

外がうっすら明るくなる頃、髪の毛が真っ白になった令子がグッタリ燃え尽きていた


「ユルシテクダサイ… ゴメンナサイ…」

誰にも聞こえないような小さな声で令子は同じ言葉を呟き続けていた


部屋には恐ろしいほどの悪臭が漂っているが令子はすでに感じてなく

テーブルの上には料理を食べ終わった皿が何十枚も山積みである


台所にはこの世の物には見えない食材?がまだまだ残っていた


「クスクス… みかみさんだらしがないですね… おかわりはまだまだありますよ」

令子とは対照的に、ツヤツヤした肌のおキヌは楽しそう微笑む

真っ白になって壊れていく令子はおキヌの栄養分になっているようだ


最早意識があるか無いかもわからない令子を見て、おキヌは物足りなそうに料理を止める


「美味しいご飯も食べ終わったようですし、おしおきとさいきょういくにはいりましょうね」

ニッコリ微笑んだおキヌは漆黒のオーラを解放した


ゴゴゴゴゴゴーーー


まるで令子の体に染み込むように、おキヌの漆黒のオーラが令子の体にまとわりついてゆく


「えっ!!! 今までのは何だったの!?」

おキヌの信じられない言葉に、令子はどうやら別世界から帰って来たようだ


「軽い準備運動と食事ですよ?」

さも当然のようにおキヌは笑顔を見せる


「イヤーー! 助けてママーー!!」

あまりの恐怖に幼児化したように令子はジタバタ泣き叫ぶ


「あらあら、躾も追加しなければダメですね~」

おキヌはそのまま、令子を事務所の地下室に連れ込む

そこには令子の隠し財産が山のようにあるのはずだが無くなっており、変わりにあるのが古今東西の拷問器具である


「うふふ… どうしても欲しくて買っちゃいました♪ さっそく使えますね」

ワクワクしたようなおキヌと、再び全身真っ白に燃え尽きる令子

どうやらおしおき&さいきょういくはこれからのようだ


この日、美神除霊事務所は臨時休業になる

令子とおキヌは揃って風邪を引いたと言う理由で…


この後、どんなおしおきとさいきょういくが行われたかは、おキヌしか知らない



一方、時間は戻って前日の夕方

小竜姫は幸せそうに顔を緩めて料理をしていた


「ぷりくらと言うのは凄いですね~ 明日も行きましょう!」

どうやら小竜姫は横島とのツーショットのプリクラがお気に入りのようだ

今日1日でも10回は撮ったプリクラがまだまだ欲しいようである


「横島ー! ズルいでちゅ! パピも一緒にプリクラ撮りに行くでちゅー!!」

小竜姫に散々見せびらかされたプリクラが、羨ましくて仕方ないのはパピリオであった

横島の服を掴み、振り回しながらおねだりを続ける


「パッ… パピ… 息がで…きない」

あまりに振り回され、呼吸が出来ない横島は久しぶりに気絶してしまう


「あれ… 横島?」

横島がグッタリ気絶してるのに気がついたパピリオは、顔色が真っ青になる


「マズいでちゅ! 小竜姫に見つかったら仏罰がっ!」

パピリオはとっさに横島に毛布をかけて、まるで昼寝をしているように偽造して逃げてゆく


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