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あの素晴らしい日々をもう一度

それから数日の間は横島と小竜姫の生活は平穏な時間が過ぎていた。

令子は小竜姫が横島の家に居ること早々に察しており、二人が男女の一線を越えたことも感じてはいたが流石にそこには口を挟んでない。

というか神族である小竜姫に簡単に手を出した横島に呆れてはいたが、後はどうなっても自分は無関係だからと線引きする意外に出来ることはない。

ぶっちゃけ横島のことだから何かしらの理由で小竜姫を怒らせ破滅するのではと思ってもいるし、多少なりとも心配はしていたが。

ただ現状でそれより問題なのはバカップルとまでは言わないが事務所の中でも常にいちゃつくことだろう。

実は男性とまともに付き合った経験がない令子には目の毒であり、小竜姫に負けたようでなんとなく面白くはない。



「なんでお前がここに?」

そんな美神事務所の様子はともかく、この日横島は学校に登校していたが転校生としてやって来たピートに若干嫌そうな表情をする。


「実は僕オカルトGメンに入りたくて……。」

「何もうちの学校の同じクラスに来なくてもいいだろうに。」

明らかに女子にチヤホヤされるピートを横島は面白くなさそうに睨むも、史実ほど露骨ではないしどちらかと言えば面倒事は御免だと言いたげであった。

相変わらず学校では変人扱いされてる横島であるが、もう学校は寝に来る場所としか考えてなくクラスメートにどう思われようがいいと開き直っている。

現状で横島にとって重要なのは小竜姫に捨てられないようにすることであり、横島は横島なりに気を使って努力もする姿勢をみせていた。

ちなみにここ数日毎日学校に来てはほとんど寝ている横島にクラスメートは相変わらず令子にこき使われてるのだろうと勝手に誤解しているが、寝不足の原因は主に小竜姫との夜の生活なので小竜姫も横島を学校に送り出しては午前中は寝ていたりするが。


「全く、どいつもこいつも俺に迷惑かけるなよ。」

結局そのままピートは女子にチヤホヤされ続けるが横島は興味がないのか寝に入ってしまい、益々クラスメートから変人扱いされることになる。



「伊達さんは魔装術を使いこなすのが先ですよ。 その為には今は基礎的な修行が必要です。」

そして午後になると学校を早退した横島と一緒に雪之丞にも小竜姫が修行をさせるが、今のところ二人共に地味な基礎的な修行を繰り返していた。

素人の横島はともかく雪之丞は多少不満げではあるが、魔装術を満足に使えないと話にならないと言われると返す言葉がない。

一方の横島に関しては実戦で驚異的な戦いをしたわりに基礎的な修行は苦手なようであまり上手く行ってない。

やる気はわりとあるがまだ霊能のコツを掴めてないのだ。


「しかし、俺がこんな素人に負けたとは……。」

「横島さんには私の力を貸してますからね。 でも遠くない未来に私の力を抜きにしても伊達さんと対等に戦えるようになりますよ。」

雪之丞はそんな横島を見て自分に勝った相手が素人だと知り軽いショックを受けていたが、ただ文句を言うほどでもなく逆に小竜姫の力を改めて理解したようである。

尤も令子もおキヌも雪之丞も、小竜姫が何故横島に絶対の信頼を持ってるのかは理解に苦しんでいたが。

令子達も横島に才能がないとは思わないが、小竜姫が言うようになれるとはいまいち信じられないようであった。

もちろん横島本人も同じであるが。


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