このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

初仕事

横島とオルテガは静かにドラゴンに近寄る


「グルルル…」

ドラゴンの一匹が横島達に気が付いた

いや、気付くように動いていたのだ

適度な距離で気付かせて、戦いに持ち込む為に…


実力を隠すなら、3匹を分散させて個別に倒すのが一番いい

その為わざと気付かせて、横島とオルテガはドラゴンから逃げ出した


「グルルルァー!!」

ドラゴンの一匹が炎をオルテガに放つ


ゴー!!

「フバーハ!」

オルテガは炎を交わしながら呪文を唱えて、ダメージを減らす

「ヒャド!」

横島はオルテガのフバーハと同時に炎にヒャドを放ち、オルテガを援護する

「ピリオム」

横島は呪文を唱えて、オルテガのスピードを上げる


「ハァー!」


ザシュッ!!

オルテガはドラゴンの一匹の足を斬りつけ傷を負わせる


たいしたダメージでは無いが、傷を負ったドラゴンはスピードが落ちた


横島とオルテガはドラゴンを引き離す為、再び逃げに入る



その頃、魔族はオルテガの戦いを静かに見守っていた
「ケケケ… あれがアリアハン一番のオルテガか?」

魔族はその小さな姿からミニデーモンと呼ばれている

魔族の中では最も弱く、モンスターと同じ扱いを受けているほど弱い

だが知恵がまわる為、使い魔として強い者に従っていることが多い魔族である


「たいしたことねーな! 所詮はスライムやおおがらす相手にしてる奴だぜ」

ミニデーモンはオルテガを小馬鹿にしたようにその戦いを見ている



一方オルテガと横島は逃げながら、足元を中心にダメージを与え、ドラゴンを引き離していた

森や岩山など、地形を利用しながら少しずつダメージを与えていく


横島は戦いながらも、魔族の様子を心眼で遠視しながら細かく探っていた

(やっぱりただの下っ端だな…)

ミニデーモンが、オルテガを小馬鹿にしたように笑っているのを見て、横島はこのまま騙せると判断した


横島とオルテガは逃げ回りながらも、ダメージを確実に与えており、40分ほどかけてようやく一匹目を退治する


オルテガと横島はドラゴンの攻撃を受け流しながら、ダメージを受けてるふりをして戦っていく


「もう見る価値無いな~」

ミニデーモンはオルテガの実力を判断出来たと思ったらしく、その場から消える


「オルテガさん、もう大丈夫です! 見張りは消えました」

横島はもう一度周囲を遠視してから、オルテガに声をかけた


「ようやく戦えるな…」

オルテガはそう呟くとその体から闘気がみなぎる


「イオラ!」

オルテガは目の前のドラゴンに呪文でダメージを与え、加えて視界を奪う


「ハァー!」

ザシュッ!!

先ほどまでの攻撃と違い、格段に強力な斬撃がドラゴンの首筋に決まる


「ギャアォォ…」

ドラゴンは苦しそうにうなり声をあげる


オルテガは動きが鈍ったドラゴンに、トドメを刺すべく力を溜める


「トドメだ!」

オルテガの剣が光輝く

「マヒャド斬り!!」

ズシャッー!!


オルテガは先ほどと同じ首筋の傷にマヒャド斬りを決めた


いかに鋼鉄のような皮膚を持つドラゴンでも、傷口に氷属性の技を決められてはひとたまりも無かった

首の急所を突かれたドラゴンは傷口が凍ったまま倒れてしまう

4/9ページ
スキ