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GS横島 運命と戦う者

「横島君か…」

西条は深夜の都内を走りながら考えていた


初めて会った時は、自分の実力の足元にも及ばなかった


それが今は…


西条は自分の無力さに苛立ちを覚えていた

自分に力があれば…


もっと違う道もあったはずなのに…


西条は令子や美智恵の幸せを願ってやまなかった…



結局……

美智恵も令子も西条も…

横島の本当の姿は見ていなかった

本当はただの優しい少年だったという事実を…


そして横島の苦労や気持ちを理解して無かった…

あれだけ酷い扱いをして捨てゴマにしたのに…


一度離れた道は更に違う方へと進んでいた…


横島達と令子達の道はすでにお互いが見えなくなっていた



どこまでも娘の幸せだけを考える美智恵…


自分の都合のいい時の横島を未だに見ている令子…


横島の気持ちを理解しようともしない西条…



そんな3人と…


周りの命と共存しようと考えてる横島達…


最早、その道が再び交わることは無いだろう…


それから約10日が過ぎていた


雪之丞は一度、人界に降りていた

仕事や弓かおりと会うなど、予定があったのだ…


横島達は加速空間ですでに10年を過ぎていた

神魔のルシオラと小竜姫…

元々、神魔と同じ存在であったタマモ…

そして、新しく神魔と同じ存在になった横島にとって…

10年はあっという間だった…


横島とタマモはすでに、中級神魔クラスまで力をあげていた


そしてタマモは前世での記憶を取り戻していた


妖力も傾国の妖怪と恐れられた、全盛期の妖力に迫りつつあった


結果…、数千年生きたと言われる最強の妖弧の知識と技術は、凄まじい物があった…


一方横島はすでに体術や剣術が一流になっていた

老師や小竜姫には負けるが、一般的な神魔よりは上だろう…


新しい霊能力は増えなかったが、サイキックソーサや霊波刀や文珠といった技は完成度が格段に上がっていた

結果、かつて奇跡的に作った、双文珠も作れるようになっていた


そして、神眼や知識なども順調にいっており、すでに人界に居る神魔なら互角には戦えるだろう…

  
小竜姫は横島達の修行を見守る傍らで、自身も修行をしていた

横島とタマモのレベルアップにより、小竜姫自身の修行にかける時間も増えていった


結果、彼女の体術や剣術はより実践的になり、神通力も上級神魔に近くまで上がっていた…


だが小竜姫にとって得るものが多かったのは、魔界正規軍のワルキューレやジークの戦闘技術だった…


昔と違い、神魔のこだわりは無く、小竜姫はワルキューレやジークに積極的に教えを受けて、技術を覚えていった


そして元々基礎がしっかりしていた小竜姫の戦闘技術は、応用範囲が劇的に広がっていた


最後にルシオラは…

姉妹と一緒に、魔界正規軍のワルキューレやジークに、体術から戦闘技術まで徹底的に教え込まれていた


この10年で、すでに魔界正規軍としてもかなり上位に入る技術を習得していた


元々上級だった魔力はあまり変わってないが…

力の使い方や戦闘技術を覚えた結果


実戦になれば、前と比べ物にならないレベルだろう…


得意の技術の研究や知識のアップも順調で、さすがはアシュタロス直系の魔族であった…


ここ一年は、横島、ルシオラ、小竜姫、タマモに加えワルキューレ、ジーク…

そして、ベスパやパピリオで集団戦闘の修行も行っていた


これは緊迫した神魔の情勢を考えて、もしもの時を想定した物だった…


集団で来る神魔を相手にするには、こちらも集団戦闘をする必要があるのだ…


その間も老師は、その技術を横島達に惜しみなく教えているし

ヒャクメは全体のサポートや分析など、間接的な技術を磨いていた


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