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平和な日常~夏~

その後エヴァは閉店までかなり長時間店に居たが、いつものようにあまり会話することなく帰っていく

さよの一件で懲りたのかタマモの件については最後まで触れぬままだった

そのタマモの方だが夜遅くなる前に眠そうになったので、あまり遅い時間になる前にさよに預けている

タマモ本人は早く寝せられるのが不満らしく必死に起きてようとしてるのだが、幼いタマモはまだ慣れてない変化の術による疲労もあり睡魔がちょくちょく襲って来るようなのだ

結果的にさよはハニワ兵と一緒に、タマモをお風呂に入れて寝かしつけるのがここ数日の日課になっていた

そしてタマモを二階に預けた横島だが、閉店後も店の掃除や明日の仕込みなど結構忙しく、横島が二階に上がる頃にはすでに狐形態に戻ったタマモは完全に眠っている

タマモが眠ってるのを確認するとお風呂に入りリビングでくつろぐのだが、さよやハニワ兵の話をしたり土偶羅からの報告に目を通したりと結構慌ただしい

特に土偶羅からの報告は間違っても第三者に見られる訳にはいかないので、この時間に確認することが多かったのだ


「しかしお前を見てるとハニワ兵の配置に悩むな。 どう見てもお前は輸送向きじゃないからな」

そのまま風呂上がりにビールを飲みながら土偶羅の報告に目を通していた横島だったが、目の前では相変わらずハニワ兵が楽しそうにタマモの服を作っている

しかも既製品に負けないほどのクオリティの服を作ってるため、横島と土偶羅は最近異空間アジトの全ハニワ兵の配置を再検討するべきかと少し悩んでいた

以前にも説明したがこのハニワ兵は何故か失敗が多くドジなのである

土偶羅が調べた結果どうやら以前も輸送の場所や数を間違えたりした過去があったのだが、それに比べると服を作らせる方が上手くやっているのだ

まあ相変わらず失敗は時々あるが、自分で失敗に気付いて修正しながら頑張っている

土偶羅は当然ハニワ兵が趣味や余暇を楽しんでるのは知っていたが、それがこれほど成果に繋がるとは考えてなかったらしい


「ぽっ!?」

「いや、お前はこのままだよ。 上手くやってるしな。 向こうの話だ」

横島の言葉にハニワ兵は別の仕事に移動かと多少慌てるが、今のところこのハニワ兵を動かす予定はなかった

というかこのハニワ兵はさよとタマモと仲良くやっており、変える必要がないのである


「お友達が多いのは羨ましいですね~」

一方さよに関してだが、ハニワ兵には友達がいっぱい居ると勘違いしていた

日頃どこからともなく食べ物や洋裁関係の物資が届くことも、不思議過ぎて理解出来ずに考えるのを止めている

タマモが狐だったりハニワが動いたりといちいち気にしてたらキリがないのかもしれないが、横島の周りは不思議がいっぱいだとしか理解してない

みんな仲良く楽しいからいいだろうと流す辺り、幽霊以前に彼女の性格が影響してるのだろう

この日も横島宅の夜は賑やかであった



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