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真の歴史へ・その四

『やはり不自然ね』

ネズミ達を片付けた途端集まっていた動物霊達はさっと散らばっていく

横島とタマモはカメラで監視されてる為に念話で会話をしながらも付近の調査を始めていた


『ホコリが少ないし僅かに複数の人間の匂いも残ってるわ』

タマモは戦車と周辺を見渡していたが、戦時中の防空壕にしてはホコリが少なくごく最近の見知らぬ人間の匂いも残っている

明らか誰かが何かを企んでる証であった


『下水道との境の壁が薄いな。 この薄さって事は下水道作った連中はこの部屋を知ってたんじゃないか?』

『元々は防空壕かなんかで作られた地下室だった場所に、誰かが戦車とか持ち込んだのかもね。 こっちの武器も古いけど腐ってはないわ。 専門外だから分からないけど、湿度も高いしとても戦車や武器が動くなんてありえないわ』

そのまま横島は防空壕と下水道の境の壁を見るが、予想以上に壁は薄く下水道工事の時気付かぬはずがないと告げる

加えてタマモは部屋にある大量の武器弾薬がほとんど使用可能なレベルである事の疑問にも気付く

地下なので防空壕はお世辞にも環境がいいとは言えずに湿度も高いのだ

古い武器や戦車が使用可能な現状はやはり不自然だった


『監視カメラ回収するか?』

『無駄でしょうね。 手がかりになりそうな物はないと思うわ。 それよりも気付かぬフリをして泳がした方が確実よ』

ある程度部屋を調査した二人は、操られていた男性と生かして捕らえたネズミ二匹を連れてその場を離れていく

その際にタマモが監視カメラに見えないように簡易式神をその場に残していた



一方横島達がネズミ達を退治した頃、令子達の方にも影響が出ていた

先程まで次々に現れていた動物霊の動きが、横島達がネズミを退治したのとリンクするように突然鈍くなったのだ

その隙を待っていたかのようにマローウは結界から飛び出すと、動物霊の背後で逃げだそうとしていたネズミを退治する


「霊達が去っていくわ」

「どうやらあのネズミが犯人みたいだね」

突然の事態に状況が飲み込めない令子達や唐巣だったが、何かの原因でネズミが逃げだそうとしたのをマローウが退治した事は理解していた


「しかしネズミの死霊使いなんて聞いた事が…… 霊感が強い動物は確か前例があったはずだが」

危機が去った事にホッとする三人だったが、犯人が小さなネズミだった事には驚きを隠せない

西条は過去の前例から霊感が強い動物が死霊使いになる可能性は知っていたが、ネズミは初耳である


「考える前に撤退しよう。 もしもう一度同じ事があれば、どうなるかわからないからね」

なんともすっきりしない終わり方に考え込む西条だったが、あまりに不自然な事件に唐巣は調査よりも早々に撤退する事を告げて唐巣とオカルトGメン一同は撤退していく

そんな唐巣達が地上に現れるとそこにはすでに救急車が待っており、他のGS達も被害を受けたようで重傷な者も居たようであった


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