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真の歴史へ・その四

「なんか世界が違うって感じね」

一方残された西条達だったが、令子は何故か面白くなさそうだ

西条の表情が僅かに違うことに気付いたからなのか、純粋に女としてのプライドからなのかは分からないが不機嫌さが増している


「あの二人なら問題ないだろう。 もう少し回復したら撤退しよう」

令子の不機嫌そうな表情を流した唐巣は、治癒札で回復中の男を見つつ撤退の頃合いを探す

タマモの結界札の影響で今のところ安全だが、西条・令子・唐巣とオカルトGメンの助手の周りにはまだまだ動物霊がうようよとしており決して楽観は出来ない


「あんなに簡単に除霊出来るなら、この辺りの霊も除霊していきなさいよね」

今日の令子はいつもに増して機嫌が悪いらしく、横島とタマモが何の苦労もなく歩いて行く姿にもっと働けと言いたいようである

流石に面と向かって言うほど空気が読めない訳ではないようだが、根本的に気に入らないらしい


「美神君、君ねえ……」

相変わらず身勝手な考えの令子に唐巣は深いため息をはく

タマモは唐巣達の最低限の安全の確保はして行ったのだし、令子に文句を言われる筋合いはない

というかオカルトGメン嫌いのタマモにしては優しい方だったりする


(令子ちゃんももうちょっと大人になってくれないだろうか……)

比べてはいけないと理解しつつも西条は横島が羨ましく感じてしまう

令子や美智恵に囲まれて苦労している西条は、小竜姫達に囲まれて幸せに見える横島が羨ましくないはずがなかった



「ネズミの死霊使いねぇ…… 本当にその事件なのかしら?」

一方横島とタマモは邪魔者が居なくなった為に未来での事件を話しつつ捜索しているが、タマモは何か疑問を感じてるようだ


「場所もこの辺りのはずだぞ。 途中操られたんで記憶がない部分があるけど……」

「私には犯人が複数居るように感じるわ。 ネズミが増えたのかしら?」

未来の話と現実の状況を比べるタマモだったが、何か変化が起きたのではと考えていた

それと言うのも霊力を操るネズミの痕跡が複数あるのだ

そんなタマモの言葉に横島の顔には緊張感が増していく


「まさか歴史を変えた影響がここにも?」

「わからないわ。 でももうあの世界とは別の世界だと考えた方がいいのかもね」

変わりゆく歴史の影響かと考え込む横島だったが、タマモは最早あの世界とは別の世界だと考え始めていた



「やっぱりここね。 奥に戦車のある空間があるわ」

「シロが言った通りだったか…… 操られた俺は戦車とか使ってたらしいからな」

ネズミの調査をしていたタマモだが、普通の下水道の真ん中で止まる

奥にある空間とネズミの霊力痕がここに集まっているのだ


「さっさと片付けてこいつらを解放してやらんとな」

今だに横島とタマモの周りに集まって来る動物霊に視線を向けた横島は、彼らを早く解放してやりたいと僅かに気合いを入れる


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