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真の歴史へ・その四

「まだ一人居るのか…… まずいな」

さて気を失っている二人のGSを前に西条と唐巣はこの後の対策を考えていた

西条も唐巣も彼らが最後に口にしたもう一人を見捨てる事など出来るはずがない


『厄介だな』

『私達でさっさと片付ける方がいいかもね』

対して横島とタマモもまたこの状況に困っている

オカルトGメンに関わって下手な協力した実績は残したくないが、だからと言ってこの連中を見捨てるとも言えないのだ


『なんか美神さんに会うと毎回厄介事が起きる気が……』

『元々そんな運命だものね。 横島と美神令子には呪われた赤い糸でも繋がってるんじゃないの?』

香港・中世・今回と横島は令子と会うと必ず厄介事になると念話で愚痴るが、タマモはそんな言葉を否定せずにからかうように言葉を返す


『リアルに笑えねえんわ。 それよりさっさと片付けて帰ろう』

呪われた赤い糸と言う言葉に横島の顔は若干引き攣るが、横島は一刻も早く令子と離れたいようだ



「私と横島で片付けるわ。 ついでにもう一人を保護すればいいんでしょ」

今後の対策を話している唐巣と西条に、タマモは仕方ないとばかりに自分達が行くと告げる

はっきり言うと足手まといはゴメンだった


「……相手の正体も分からぬままでは、いくら君達でも危険じゃないか?」

西条など眼中にないようなタマモだったが、この時西条は何故か僅かな瞬間タマモの美しさに見惚れてしまう

見た目だけで言えば令子も十分美しいのだが、雰囲気というか色気は次元が違っている

事態の深刻さを思い出しすぐに現実に戻るが、タマモが横島に見せる無邪気な笑顔は他人の西条から見て思わず嫉妬するほどであった


「心配無用よ。 私の実力は貴方も知ってるでしょう。 二度も助けてあげたじゃない」

相手の正体が分からぬ中では流石に危険ではと告げる西条に、タマモは意味深な笑みと言葉を口にする


「二度……、やはりあれは君と小竜姫様か」

西条はタマモが口にした二度と言う言葉の意味を瞬時に理解した

そして理由は分からぬが、中世で出会ったのはやはり小竜姫とタマモなのだと確信する


「頃合いを見計らって撤退しなさい。 何か嫌な予感がするわ」

タマモは唐巣に使用中の結界札と万が一の為のもう一枚の結界札を渡して、横島と共に動物霊が渦巻く中に消えていく

西条と令子はそんな二人をただ無言で見送るしか出来なかった



「嫌な予感って本当か?」

「ええ、それは本当よ。 何か嫌な予感がするの」

二人っきりになった横島とタマモだったが、周りを取り囲むような動物霊達は横島とタマモに近寄る前に炎により燃えて成仏している

タマモの狐火により動物霊達は光の粒となって天に帰っていた

そんな中を二人は悠々と歩いていくが、タマモの嫌な予感に横島はこの事件も記憶と違うのかと警戒心を強めていく



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