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あの素晴らしい日々をもう一度

「しょ、小竜姫様!?」

その後現場の廃工場に到着するが、横島は悪霊がうようよする現場にびびった様子で小竜姫にすがりつく。

GS試験を受かったとはいえほとんど心眼に任せっきりだっただけに、横島自身は未だに霊能をどう使うのかすらよく分かってない。


「難しいことはありませんよ。 そうだ、私の神剣をかしてあげますよ。 これならこの程度の悪霊は霊力を使わずとも倒せます。 今回は結界は無しで行きましょう。 危なくなったら助けてあげますから。」

基本的に令子は手出しも口出しもするつもりがないらしく小竜姫と横島に任せるが、小竜姫は特に気負いも緊張感もなく横島に自分の神剣を渡すとそのまま除霊に行こうとする。

悪霊は数は多いが強さはたいしたことはなく、小竜姫が竜気を解放したらそれだけで除霊されそうな感じだった。


「ヒッ!?」

そのまま除霊を始める横島であるが、小竜姫の神剣を両手に持ちがむしゃらに悪霊に向かって振るっていく。

流石に背後までは気が回らないのでそこは小竜姫が助けていたが、後は横島の神剣と心眼が時々手助けに霊波を放って除霊をしていた。


「うーん、まあいいわ。 それにしても横島クンが本当に一人で除霊出来る日が来るのかしらね。」

最終的に一時間以上時間がかかったものの、横島は令子の力を借りずに除霊を終える事が出来てしまい令子は細かい部分は不安げではあったが結果は結果として認めることにする。

あまり難しい依頼は出来ないかもしれないが一般的や悪霊程度なら大丈夫だろうと判断したのだろう。

ただ令子は小竜姫が何処までGSの常識や人間の常識を理解しているか疑問もあり、しばらくは自分が着いていく方がいいかとも思っていたが。


「大丈夫ですよ。 私が保証します。」

そんな不安を感じる令子であるが、ふと思えば小竜姫がおかしくなったのはGS試験に潜入する為に話し合いをしていた時からだったかと思う。

相変わらず横島をGSにする気満々というか横島がGSになれると信じて疑わない様子の小竜姫を見ていて、その根拠のない自信は何処から来るのか不思議で仕方ない。

ただ元々は武神であり人間や妖怪などに力を授ける事も出来るだけに、小竜姫が大丈夫だというなら大丈夫なんだろうなと考えるしかなかった。


(そう言えば、彼女はいつ生きかえるのでしょう? 確か元々邪悪な地霊を封じる為にと聞いた記憶が。)

一方小竜姫は横島と横島を労うおキヌを見てこの先のことを考え始めていた。

小竜姫が知る歴史はメドーサやアシュタロス絡みの歴史だけであり、おキヌが生きかえったのは知っているが具体的な事件などは聞いてない。

未来で横島やおキヌから世間話程度におキヌが亡くなった事件が原因だと聞いた記憶はあるがそれ以上は何一つ知らない。

一応家に帰ってからでも横島におキヌと出会った経緯や場所を聞いて調べた方がいいかと思う。


「さてと、今日の仕事は終わったしご飯でも食べて帰るわよ。 小竜姫様にも幾つか言っておかなきゃダメなことあるし。」

そのままこの日の仕事は終わりだと言うことで令子は横島と小竜姫を連れて食事をしにいくことにするが、小竜姫にも最低限の常識を教えていくことにする。

安易に正体をばらさないことはもちろんのことはもちろんのこと、小竜姫自身の為にもとにかく目立つのは避けて貰わねばならない。

まあ小竜姫自身も自分が必ずしもGSや人間社会に詳しいわけではないので、令子の忠告は素直に守るつもりだったが。



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