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GS横島 運命と戦う者

「よいか、横島… 今の霊力をコントロール出来るようになれば、同じ力でも倍は強い攻撃や防御が出来る… 霊力を上げる前にそれを習得するのじゃ…」


老師の元、横島は毎日霊力コントロールの修行をして行った…


ルシオラ達姉妹はワルキューレやジークから、軍の戦闘技術などを徹底的に教えこまれていた

小竜姫はタマモの妖力アップと雪之丞の修行を見ていた


加速空間の中で3ヶ月が過ぎる頃には、横島のコントロールの修行が一段落した

そして、霊力アップと剣術や格闘術の修行も加わった


前と同じ霊力を取り戻すのには、半年もかからなかった



一年を過ぎた頃…

雪之丞はその空間を出た

純粋な人間の雪之丞には一年が限度だったのだ…

この一年で雪之丞は基礎からしっかり修行した為、霊力はあまり変わらなかったが、戦闘能力はかなり上達していた


雪之丞本人は一人先に外に出るのを悔しがっていたが…


仕方ないだろう


一方横島は…


基礎は相変わらず続けていたが、修行の内容は幅広くなっていた

ヒャクメに神眼を授けられ、その使い方やコントロール

そしてワルキューレ達との戦闘訓練なども加わり

まさしく一から横島を鍛えていた


ルシオラは姉妹と共に戦闘訓練を続けて、かなり戦闘技術は向上していた


タマモは凄まじいスピードで妖力をアップしていて

この一年一番成長したのは彼女だろう…

妖力が増えた結果、タマモは今まで中学生くらいだった姿を、18才くらいに変えていた


小竜姫はタマモと雪之丞の修行を見る傍らで、自身の修行もしており、剣術はより実績重視の形になっていた


そんな日々のある日…


横島は夕食後に知識面の勉強をしていた…


知識面ではルシオラや小竜姫が主に横島に教えていた

奇想天外な閃きが横島の強みでもあったが…

やはり基礎知識は必要だった

元々、頭は悪くないのだ

ただ、勉強に興味が無く…

高校に入学後はアルバイトで勉強の時間など無かった


そんな横島は、今日もルシオラに神魔族の知識などを教え込まれていた…


「う~ん… 暗記は苦手だな~」

横島は疲れた顔で本を読んでいた


横島は物覚えは悪くなかった

だが…

霊能や体術など、体を使うことに比べれば一般的で天才と言う訳ではない

横島にとって、1日修行して疲れた体での勉強が一番キツかった…


「頑張って、ヨコシマ! 知識も力よ。 知ってればこそ出来ることも多いわ… 頭は悪くないんだからね…♪」

ルシオラは疲れた顔の横島に優しく話してやる気を出させる…

隣に座り、熱心に教えるルシオラ


そうして、横島の修行はあらゆる面で続いていった



横島は勉強が終わると、ルシオラと小竜姫とタマモと外で夜空を見ていた


「仮想空間でも、星空なんだな…」

横島は感心したようにそう呟いた

横島自身修行や勉強をして、最近改めて感じていた

小竜姫やルシオラ達神魔の実力を…

そして、老師やアシュタロスの凄さを…


「老師は神族の中でも特別ですからね…」

小竜姫は横島の考えを理解して答えた


「思えば、すごい世界に俺はいるよな… ほんの一年ほど前には霊能力なんてなかったのに…」

横島はしみじみ話していた


「私からすれば、ヨコシマの方が凄いわよ? アシュ様を出し抜いて、望みを叶えたんだから…」

ルシオラは横島を見て微笑んでいた


「そうね… 横島が居なければ、世界が無くなってたかもしれないんだもんね… 横島も十分凄いと思うわよ?」

タマモ横島を見て笑顔になっていた

そして、小竜姫やルシオラと顔を見合わせて幸せそうにしていた


「俺はどこまで強くなれるかな… せめて、ルシオラや小竜姫やタマモや… 仲間達を守れる力は欲しいな…」


横島は届かない星空に手を伸ばして話していた……


ルシオラや小竜姫やタマモは、そんな横島の表情に顔を赤らめて、見惚れていた…


優しい表情だが、しっかりとした強さもある…

男の表情をしていたのだから……


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