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真の歴史へ・その四

さて不審者を追っていたオカルトGメン一同だが、その距離がなかなか縮まらずに苦労していた

不審者はあらかじめ仲間が撤退した退路を進んでおり、素早い撤退だったのだ


「令子ちゃん怖いわ~」

「私に言わないでよ。 何がどうなってるやらサッパリなんだから」

オカルトGメンとGS達はマリアが先頭を進み西条が続く形で追跡しているが、最後尾の冥子は歩くのが嫌になりシンダラに乗って緊張感なくのほほんとしている

怖いと言いつつも彼女は令子と一緒で半ばピクニック気分なのだ


「美智恵君、さっきの煙幕の方にも調査の人員を向ける必要があるのでは?」

一方唐巣は突然目標を変更した美智恵に違和感を感じていた

不審者への接触は確かに必要かと思うのだが、あからさまに怪しい煙りの方を放置する理由が分からない


「………そうですね。 令子と神父とピートさんと六道さんはあちらの調査をお願いします」

唐巣の問い掛けに少し悩む美智恵だったが、その問いは尤もであり否定する理由もない

加えて銃撃戦になった時に戦えない冥子と唐巣は引き離しておいた方が安全だと考えていた

ピートと令子をあちらに回したのは、万が一戦闘になった場合戦えるメンバーが居ないとあまりに危険だからである

あちらには横島達が居ると考えてはいるが、何か確証がある訳ではないし危険がないといえば嘘になるのだから



「これは何かあったと見るべきなのか、何も無かったと見るべきなのか」

そのまま美智恵達と行動を別にした唐巣達は謎の煙りに包まれた辺りを調査するが、あるのは普通の山々と森であり何かしらの戦闘の形跡すらない

しかし不自然な点もいくつかあり一つは煙りの前に感知していた妖怪の反応が消えたこと、もう一つは煙りがなんだったのか全く掴めない点である


「見鬼君の反応はイマイチね。 あの煙りで逃げたのかしら?」

状況を分析する唐巣と令子だが、流石の二人でも判断するだけの証拠がない

一致するのは先程まで此処に何かが居たという事実だけなのだ


(小竜姫様達の行動でしょうね やはり美神さんには言ってはいけないんでしょうね)

一方ピートは消えた妖怪に横島達が絡む事を確信するが、それを言えないまま考え込んでいる

武装した人間が居た事から何か根が深い事件なのだと理解していたが、ピートは自分がどうするべきなのか静かに考えていく



「私が職務質問しますから、相手が銃を発砲したら無効化してちょうたい」

一方美智恵達はようやく不審者から数メートルの位置まで近付いていた

ここからは美智恵とマリアの二人で接近して、相手が発砲したら取り押さえる手筈である


「先生、十分注意して下さい。 相手は間違いなく発砲して来ます」

不審者への接触に向かう美智恵に西条は僅かに不安そうな表情をするが、危険なのは美智恵も百も承知だった


「マリアに任せれば大丈夫じゃよ。 銃ならばマリアが確実に守るじゃろう」

西条と対照的にカオスは楽観的だった

たかが武装した人間の一人や二人にマリアが遅れを取るはずがないのだ

そんな緊張と楽観が入り混じった中で、美智恵とマリアは不審者への接触を開始する事になる

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