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真の歴史へ・その四

「先生、銃の使用はどうしますか?」

森の中の不審者を追っていたオカルトGメンとGS達だったが、西条は銃の使用をどうするか美智恵に尋ねる

西条も美智恵も令子も銃を所持しているが、それは相手が心霊対象に限った使用許可しかない

当然ながら通常の犯罪者に関しては、自衛の為でも銃の使用許可はないのだ

まあ相手がオカルト犯罪者であれば逮捕の為の銃使用は一部許可されてるが、こちらも細かな規定がある

今回の不審者は現状では、相手をオカルト犯罪と断定するのは少し難しかった

逮捕状もないし現行犯でもない為、普通ならば銃の使用が許可される状況ではない

そんな状況で何故西条がわざわざ尋ねたかと言えば、状況があまりにも不自然だからだ

限りなく黒に近い銃で武装した不審者に、丸腰で対応するのは少し危険過ぎるのだから


「相手からの発砲があれば許可します。 しかし相手の発砲までは威嚇行為も出来ません」

西条の問い掛けに美智恵の表情が少し歪む

危険なのは理解してるが現在オカルトGメンは地元県警の指揮下で捜査をしてる為に、勝手な銃の使用は不可能だった

相手がオカルト犯罪者だと断定しても指揮権がある県警に無断で銃を使用すれば、要らぬ問題が生まれてしまう


「六道さんとドクターカオスは後方に居て下さい。 マリアには不審者が発砲したら確保をお願いしたいのですが……」

「うむ、それがよかろう。 マリア、不審者が発砲次第相手を確保するのじゃ」

気付かれないように気をつけつつも不審者を追跡している一同だったが、美智恵の作戦はマリア頼りだった

カオスは少し考えるが、武装した不審者を相手に他にいい方法がないのは確かである

結局一同はマリアを全面に出して追跡していく



一方事務所に戻った横島達だったが、保護した人狼はルシオラの研究室に運ばれていた

犬塚ジロウと犬飼ポチはその毒々しい研究室に若干警戒しているが、そんな二人には関係なくルシオラはヒャクメの協力の元で人狼の体を調べていく

壁の半分ほどを占める巨大モニターには次々と文字やグラフが表示されるが、内容は横島達にもさっぱりでルシオラとヒャクメが忙しそうに調査を続けている


「あの、竜神様」

「少し待って下さい。 彼が何かしらの問題があるのは以前に説明した通りです。 あの二人は神魔界でも有数の技術者ですから、必ず治療は出来ますから」

戸惑いながら状況の説明を求めるジロウに、小竜姫は若干困った表情で答えていた

何かしらの問題を解明しない限り迂闊に治療も出来ないのだから

しかも小竜姫はそちらは専門外な為に、ルシオラとヒャクメに任せるしかない


「とりあえず解ったとこだけ言うわよ。 精神面への外部からの洗脳がされてるわ。 科学と呪法を混ぜたらしくって解析に少し時間がかかるの。 治療には時間が必要ね」

ヒャクメの能力やルシオラの兵鬼で人狼の調査が行われていたが、結果は予想通り洗脳だったと告げる

怒りや憤りの表情のジロウとポチに、ルシオラは治療は可能だが時間がかかるからと告げて再び調査と治療に取り掛かる


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