それから横島は丸一日眠り続けた…


横島は目を覚ましたら驚いた


そこが魔鈴の家だったから…

「あれ… 俺なんでここにいるんだ…」

横島は寝起きで頭が働いて無かった


「横島さん、目が覚めましたか？」

魔鈴は店を休んで、横島を看病していた

「魔鈴さん…… そうだ！ タマモは！？」

横島は要約、昨日の事を思い出していた

「タマモちゃんは大丈夫ですよ。 病気ではなく、毛の生え変わりだったんです」

魔鈴は笑顔で横島に話した


「そうか… 良かった……」

横島は本当に嬉しそうに微笑んだ


「タマモちゃんより、横島さんの方無茶しすぎでしたよ？ 疲労と霊力切れで、危ない状態でした」

魔鈴は少し呆れたように話した


「アハハ… 面目無いっす！ 運動不足っすかね～」

横島は笑っておちゃらけて言った


魔鈴は横島の言葉に違和感を覚えた

とても運動不足と言う疲労出はなかった…


「気をつけて下さいね。 疲労を溜めすぎると体を壊しますよ？」

魔鈴は苦笑いしながら、やんわりと横島に話した


「本当にありがとうございました。 じゃあ、帰りますね！」横島は頭を下げて笑顔で帰ろうとした


「あっ… せっかくですから、ご飯を食べて帰って下さい。 もう作ってますから」

「すいません。 いつも世話になりっぱなしで…」


横島は苦笑いしたが、ご飯をご馳走になって帰った…



魔鈴は横島が帰った後、確信していた


やはり…

横島は何か隠している…


最近よく会う、自分にも無理して隠されたのを少し寂しく思ったが…

それでも、横島の真実が少し見えた気がした……



そして横島は…


その夜も一人修行をしていた


「全然ダメだ！！ この程度の力じゃ、何も守れない！」

横島は体を痛めつけるように修行に励んでいた


今回は結果的に天狗に救われたが、自分の力は無力だった


その現実は横島に深く突き刺さっていた……


横島の迷いや悩みは深まるばかりだ…


そして、今回の出来事で焦りも感じていた…


現実は待ってはくれない


次がいつあるかわからないが…

もっと力が欲しかった



それから３日ほどした、ある日…


タマモは魔鈴の店に居た

ちょうどお昼と夕方の間の暇な時間

二人はお茶を飲みながら、先日の話などをしていた


「最近横島さんは美神さんの事務所ではどんな感じですか？」


魔鈴はふと思った疑問を話した

「美神の前では相変わらずよ。 馬鹿でスケベで情けないまま…」

タマモは素直に話した

魔鈴とタマモはあれから、かなり何でも話せていた

同性の友達として、いろんなおしゃべりをしていた

タマモも魔鈴には気を許して、人間の生活や不思議なことをいろいろ聞いていた

「そうですか…」

魔鈴は考え込みながら答えた


「どうかしたの？」

タマモは魔鈴の様子がおかしいのに気が付いて聞いた


「今の横島さんは、何かおかしいと思うんですよね… 不自然なほど、昔と同じまま… 何か隠してる気がして……」

魔鈴は考え込みながら話した


「それは私も気が付いてたわ… 横島は無理して馬鹿やってる… 事実、美神を仲間だと思ってないって言ってたしね」

タマモは少し前を思い出して語った


「本当ですか？ 仲間と思ってないのですか？ まさかそこまでとは……」

魔鈴は驚いていた

横島と美神の関係が微妙なのは気が付いていたが…

仲間と思ってないのは予想外だった…

横島は優しすぎるのだ…

その横島が自分から仲間と思ってないとは信じられなかった……

「本当だと思うわ… 事実、横島があの事務所に居るのは、私とシロが心配だからだって話してたしね…」

タマモは少しつらそうに話した

自分が横島の重荷な気がした


魔鈴はタマモの話に考えだした…

自分が思っていた以上に状況は変わっていたようだ…

横島は美神をすでに仲間と思ってない

あの事務所にいるのはタマモとシロの為……？


それが事実だとしたら……

いや…事実だろう

あの優しい横島なら考えられた


だが…　横島はどこまで人を欺いてるのだろう？