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あの素晴らしい日々をもう一度

「今日は伊達さんの住む場所決めなきゃだめですね。 横島さんは学校に行って下さい。 ちゃんと出席しないとだめですよ。」

「いや、学校はどうでもいいんでもう一回……。」

「もう夜までダメです。」

翌朝は気持ちがいい小春日和だった。

小竜姫は二人分の朝食を作っていて横島は自分の布団と結局使わなかった来客用の布団を片付けている。

結論から言えば横島の理性なんて期待するだけ無駄だし頑張った方だろう。

二人は何故か一睡もしてない割りに顔色はよく何処か肌艶がいいようにも見える。


「つまり夜ならいいっんすね!?」

「まあそれなら、いいですけど……。」

結局僅か一晩だが横島は大人になったことで少しは成長したらしく挙動不審にはなってない。

尤も底なしの煩悩が爆発もしてしまい、きりがない状況に小竜姫は喜んでいいのか悩むべきなのか複雑だったが。


「ちゃんと修行もしてくださいね?」

「もちろんっすよ。 任せてください!」

なんかこのまま横島が堕落しそうで少し不安になる小竜姫であるが、横島は意外なことに修行に対してもやる気になっている。

まあ実際どこまで真剣に受け止めてるかは微妙であり一言で言えば調子に乗ってるだけとも言えるが、どのみち横島には正論を説いても意味などないので小竜姫はこのままにすることにした。


「私は一旦妙神山に戻ります。 身の回りの品だけでも持って来たいので。」

「なら手伝いましょうか?」

「あっ、いえ本当に身の回りの品だけにしますので大丈夫ですよ。」

その後この日の予定として小竜姫は一旦妙神山に戻り最低限の身の回りの品を持って来てから美神事務所に行くことになったので、横島はとりあえず午前は学校に行くことにする。

実のところ美神事務所は基本的に午前中はおキヌが電話番をしてるくらいで、令子の出勤はだいたい日頃なので横島もその気になれば今まででも午前中はかなり学校に行けるはずであった。

ただ今までは時給稼ぎの為に朝から美神事務所に顔を出していたが、小竜姫が雪之丞のどさくさに紛れて横島の給料アップまで決めてしまったのでこれからは午前中は出来るだけ学校に行くようにと小竜姫が言ったのだ。

横島からしてみればなんで小竜姫が自分の学校のことなんか知ってるのか少し不思議だが、まあ別に気にするほどじゃないかと軽く流している。


「そういや小竜姫様、さっきから歩き方が変ですけどどうしたんっすか?」

「誰のせいですか、誰の。 全く私も初めてだったのに。」

「俺のせいっすか? 一応優しくしたつもりなんっすけど。」

そのまま小竜姫は朝食の後片付けをしていくが、何故か小竜姫は先程から歩き方がおかしく横島は何かあったかと不思議そうにするも原因は当然ながら横島にあった。

詳しくは説明しないが横島と小竜姫には昨夜のことでは些か認識の違いがあり、そもそも横島は途中までは小竜姫が初めてであることすら知らなかったのだが。

ただそれでも横島は中途半端な気持ちで小竜姫と関係を持った訳ではない。

横島は横島なりに小竜姫を受け止めたつもりである。






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