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魔鈴心霊相談事務所始動!

その夜、時を越えた再会に互いの大切さを再認識した横島と魔鈴が一晩をどう過ごしたかは二人にしかわからないが、次の朝起きた魔鈴はいつもと変わらぬ様子で朝食の準備をしていた

流石に横島と何年も一緒に住んでるだけに、寝不足そうだがそれを顔に出すことはないようだ


「そういえば高校に行かなきゃダメなんだよな」

こちらは過去に来てからほとんど寝てない横島だが、魔鈴に会えた安堵感と一晩共にした結果かなり落ち着いた感じである

しかし目の前の新しい現実は悩みの種だった

特に高校は横島にいい思い出はなく、出来れば行きたくない


「無理に過去を演じる必要はないと思いますよ。 今の忠夫さんは過去の忠夫さんではないのですから」

高校の事で気が重そうな横島に魔鈴は少し考えて、自然にしたらいいと告げる

どちらにしろ過去とは別の生き方をする事を決めてしまったのだし、横島が令子の元を離れるだけで歴史は変わるだろう

ならば今の横島は今のままで自由に生きて欲しいと魔鈴は考えていた

まあいろいろ辻つま合わせは必要だろうが、ずっと過去を演じるのは横島にとってストレスになるだけだろうし、それよりはいいと考えていたのである

歴史に必要な事件はどちらにしろ起きるのだから、常に柔軟に対応するしかない


「自由にか……、辻つま合わせもあるし結構難しいな」

「浮気はダメですよ」

学校での対応に悩む横島に、魔鈴はニッコリと浮気をしないように釘を刺す

そんな魔鈴の言葉に学校でモテた事がない横島は不思議そうな表情をするが、今の横島ならば周りのクラスメートの対応が過去と変わる可能性に魔鈴は気付いていた

結局横島は学校でしばらく様子を見ようと考えつつ、雪之丞が起きて来る前に学校に登校していく



(まさかまた高校生をやり直す事になるとは……)

「おはよう、横島君。 朝から来るの久しぶりね」

複雑な気持ちのまま教室に入った横島に真っ先に声をかけたのは愛子である

他のクラスメートも学校に来るのが珍しいだとか明日は雨が降るだとか、からかうように声をかけるが横島は挨拶をかわす程度だった


「おっす、相変わらず元気そうだな」

かつての高校時代と同じように挨拶をする横島だが、愛子は少し訝しげに横島を見つめる

具体的に何か変わった訳ではないが、何故か横島に違和感を感じたのだ

しかし横島が変なのは良くある事だと考えた愛子は、違和感を気にしつつ特に追求する事はなかった


その後は普通に授業が進んでいくが、それは昼食が始まる時に起きる


「そういやあ昼飯買ってくるの忘れたな。 購買行ってパンでも買ってくるか」

いろいろあり昼食まで頭が回らなかった横島は何も買って来なかった事を思い出し、学校内の購買部に行こうとするが教室の外が騒然としている事に気付く


「よこしまー! 美人が貴様を探してるぞ!!」

ガヤガヤと怒りの表情の男子生徒達が教室に詰めかけて来て、戸惑う横島を問い詰めるように取り囲んでしまう


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