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新しき絆

天狗は横島達が帰るのを静かに見ていた


「あれが、魔神を倒した人間か…」


天狗は横島の後ろ姿をみて呟いた




それから横島とシロは、急いでタマモの待つ魔鈴の店に行った


「タマモー!! 薬を持ってきたでござる!」

シロは真っ先に店に入った


「タ… タマモ…」

シロが店に入ると、タマモは元気に狐うどんを食べていた…

「タマモ!? 無事だったか…」

横島はそう呟いて…


再び倒れた


「横島!?」

「先生!?」

「横島さん!?」

タマモ、シロ、魔鈴は慌てて横島に駆け寄った


「良かった… 疲労と霊力の使いすぎで倒れただけよ。 タマモちゃんが無事で緊張の糸が切れたのね…」

魔鈴は横島の様子をみて、安心したように言った


「タマモ! 本当に人騒がせな!」

シロはタマモに文句をつけていた

「いや… どうも毛の生え変わりの時期がずれたみたいでね」

タマモは少し困ったように話した


「先生がどれだけ苦労と思ってるでござる!」
シロとタマモはケンカを始めたが…

魔鈴に止められた



それからシロは、天狗に行ってからの話を魔鈴とタマモに話した


普段見たことない横島を、シロはすごいと褒めて話したが…

タマモは少し考え込んでいた


そして魔鈴は悲しそうな表情で、眠る横島を見ていた…


魔鈴は気が付いてしまった…


横島がタマモの命を失うのを恐れたのを……


そして、魔鈴にタマモを預けた時の焦り方と、天狗との無謀な戦い方を聞いて理解した


横島がルシオラを失った傷が、深く残る事実に……


タマモも、横島の行動に疑問を持っていた…



それからシロとタマモは、横島を残して帰った…



「シロ、今日の事は美神やおキヌには絶対秘密にして!」

タマモは帰り道シロに話した


「なぜでござる?」

シロは不思議そうに聞いた

横島の立派な姿をシロは誇りに思っていた

そんなシロからしたら、たくさんの人に教えたかった


タマモは何も気が付いてないシロに呆れたが説明する

「横島は何か秘密があるのよ…最近横島は美神達を避けてるわ… 美神達に今日の事がバレたら、横島は私達の前から居なくなるわよ!」

タマモは少し大げさに話した


シロはタマモの話に疑う目で見るが、タマモは真剣な顔だ


「本当でござるか?」

シロはタマモに確認した

「ええ、横島が強いのも絶対に言ってはだめよ! 今日私は途中で治ったことにするのよ」


タマモのあまりに真剣な表情にシロは頷いた

「よくわからんでござるが… 拙者は先生の弟子でござる。 先生に不利な事は絶対に言わんでござる!」


シロはシロなりに、今日の横島が普通でないのは理解していた

そして、弟子の自分は師匠の為に何も言わないことにしたのだ


タマモはそんなシロに安心していた


何故かはわからないが、横島は美神を嫌っている

その横島は自分とシロの為に事務所にいるのだ

その横島の足手まといに、なりたくなかった


タマモは横島の為に、自分とシロが自立しなければならないと、考え始めていた



一方、シロとタマモが帰った魔鈴の家では…


魔鈴が横島にヒーリングをしていた


だが、横島の体は想像以上に疲労が溜まっているようだった…


霊力もほぼ尽きているし、しばらく起きないと思った


「よくここまで帰ってこれましたね…」

魔鈴は横島の状態をみて呟いた


「これは今日の疲労だけでは無いですね… 最近は学校に行ってるはずですし… 美神さんの事務所もあまり行ってないはず… 何故これほど疲労が溜まっているのでしょう…?」

魔鈴は不思議そうに首を傾げて考えるが、わからなかった


魔鈴は気が付かなかったが…

横島が倒れた原因は霊力が尽きた為である


普段から、睡眠時間を削って無茶な修行をしている為、疲労を抱えていた

横島は普段霊力で、疲労をごまかしていたのだ…

それに今日の傷と疲労が加わり、肝心の霊力が尽きた為限界だったのだ…


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