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真の歴史へ・その三

まあ横島事務所の台所事情としては、武器からお札の類まで高額な霊能アイテムを全て自作で制作してるので余裕はあるのだが

横島個人の感覚としてはかつての自身の通った公立高校と比べれて雲泥の差を感じる


「個人で用意するアイテムもあるわね。 神通棍と霊体ボーガンか…… 私が作った物でもいいのかしら?」

横島と共に編入に必要な書類に目を通すルシオラだが、こちらは霊能アイテムなどの用意する物をどうするか考えていた

ルシオラならば神通棍や霊体ボーガンなどを簡単に作れるが、下手に目立つよりは買った方がいいかと悩んでしまう


「霊子銃も彼女達の試作品出来たんだけど……」

おキヌと小鳩と愛子の護身用武器アイテムとして、最近ルシオラは以前開発した霊子銃をおキヌ・小鳩・愛子の専用品として試作品を完成させていた

これは充電式蓄霊力と使用者の霊力のハイブリット方式の銃として完成されている

これにはおキヌ達のような人間レベルの霊力で負担を少なくパワーや使用回数を増やす為に、蓄霊力と使用者の霊力を併用する形として試作品を作っていた

そしてこの複雑な方式にはもう一つ理由があり、使用者を固定する為でもある

万が一敵に奪われても役に立たないようにとの配慮もあるのだ

ちなみにルシオラ以外が分解や解析しようとすれば、爆発する自爆装置も標準装備だったりする


「銃は護身用として授業での使用を禁止すればいいけど、神通棍と霊体ボーガンは買った方がいいだろうな。 下手に技術が目立つとロクな事にならないよ」

ルシオラの話しに横島は霊子銃の所持はいいが、神通棍と霊体ボーガンは市販品を買う方がいいと判断した

横島自身も霊能科の事情はよく知らないが、あまり高性能な特注品は明らかに目立つと思うのだ

ちなみにおキヌのネクロマンサーの能力についてだが、最低限卒業までは教えない事が小竜姫の判断により決まっている

これはおキヌが本格的にGSに進むならば教えるが、GSにならないならば生涯教えない事を考えているためだ

希少過ぎる能力はGSを選ばないで平和に生きるおキヌには必要なく、逆に能力を利用しようとする馬鹿者が増えるだけなのである

そして小鳩の守護神である貧についても、六道女学院には着いて行かずに秘密にされる予定だった

こちらもまた神族が個人の守護をしてる事が広まれば、それを利用しようと小鳩に近付く者が必ず現れるのだから



まあ六道女学院に通う生徒でも能力を秘密にしてる生徒は少ないながら居るし、学校側も授業で使わない以上には秘匿能力を追求はしてなかった

友達やクラスメートとはいえ将来のライバルだし、オカルト関係者が親族居る生徒が多いクラスメートに見られたくない技術や能力の一つや二つはあっても不思議ではない

横島達はおキヌと小鳩が必要以上に希少性で目立たないように注意を払っている



「俺もあんまり詳しくないけど、多分現時点でも二人は十分通用するぞ? 少なくとも授業に着いていけないほどじゃない」

おキヌと小鳩に対しての横島の現在の評価は、生徒達の上位に入るか入らないかのラインである

二人は今だに基礎修業の段階であり、実戦経験や模擬試合の経験では生徒達に劣るだろう

しかし霊力コントロールや基礎技術は、すでに生徒達を越えていた


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