このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

▼狐の夢・第2話の弐

どうやら説明が長くなりそうなのを感じ取ったのか、それとも難しい話が苦手なのか、タマモがルシオラの言葉を遮った。

「あらためてよろしくね。私はルシオラ、アシュ様に造られた蛍の化身よ」

「こちらこそ。私はタマモ、金毛白面九尾の狐よ」

そうお互いに挨拶をした後、ルシオラはいきなり頭を下げた。

「さっきはヨコシマを助けてくれてありがとう。
タマモちゃんが助けてくれなかったら、ヨコシマはあそこで間違いなく死んでいたわ」

そうお礼を言う声色には、もう少しで彼を失ってしまっていたかもしれない怯えと、
心からの感謝の色が見えた。

それに対してタマモは

「別にお礼なんていいわよ。横島がいなくなって悲しいのは私も一緒だし……」

と、小さな声で呟く。
2/16ページ
スキ