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麻帆良祭

そのまま近場でお昼を済ませた横島達は午後も麻帆良祭巡りを続けていく

午前中はトラブルが続いたが午後は平和そのものであり、賑やかな時間が続いていた

まき絵の新体操部やあやかの乗馬部に夏美の演劇部など、とりあえず時間が合う出し物やサークルを次々と巡って行ったのである



そしてこの日の仮設店舗での横島の担当時間は夕方からであり、いよいよ本番での仕事に取り掛かるのだが混雑具合は凄まじかった

雪広グループと超包子の知名度は麻帆良外でも知られていたようで、観光ガイド片手にやって来る客が多かったのである

昨日までと違い麻帆良の住人は若干減ったようだが、今日はそれ以上に市外から訪れてる客で賑わっていた


「よく対応出来たな」

店舗に到着して厨房を確認した横島は、先日出した予測ギリギリまで伸びた売り上げに若干冷や汗を流してしまう

特に中華まんやから揚げやフライドポテトなど、軽食は作れば作るだけ売れたらしい


「昨日まで頑張った成果ネ」

正直ここは中学生の出し物の規模を越えた集客と売り上げになっている

前日まで五日間のプレオープンを用意したが、その期間が無ければとても対応出来る規模ではない

超包子の人材も入っているとは言っても半分以上が中学生だと考えると出来すぎの成果だった


「コスプレも評判良かったヨ」

加えてRPG風の店舗というコンセプトを最大限活用したインテリアやコスプレも、予想以上に評判が良かったらしい

実際はカウンターに居る数人のコスプレしか客には見えないというオチもあったが、ある意味徹底して良かった部分と言えるようだ



その後横島達も本番用に用意していたコスプレで仕事を始めるが、正直無駄話をする余裕などないほど忙しい

担当が横島達に変わったことで、夕方からは数量限定で高額なディナーの販売も開始する

横島はディナーのメニューをフレンチにしたようで、本番フランスからの輸入食材が惜し気もなく使用されていた

ただ味付けに関しては日本人向けにアレンジされており、本場のフレンチではない

ある意味フレンチを知らない人でも気軽に食べるようにと考えたようだ


「この調子だとまた完売するの早そうだな」

そんな数量限定のディナーは、前回の試験販売同様に次々に売れて行った


「どうも大学部の美食系のサークルが行った批評で、限定ディナーが取り上げられたようです。 原価割れしたことも見抜かれてますし、麻帆良祭で最も狙い目料理の一つとして紹介されてます」

前回の売れ行きから限定数を多少増やした横島だったが現状では焼石に水である

あまりの早い売れ行きに横島は少し対策を考え込み始めたのだが、茶々丸が売れ行きが伸びてる理由を話し出していた


「美食系サークル?」

「麻帆良の内外の飲食店に出る料理の批評を行ってるサークルです。 大小様々ありますが、最大手のサークルが情報を載せてます」

横島は知らなかったが、横島達の店舗はすでに複数の美食系サークルにマークされていたらしい

料理の味の批評から原価の推測まで割と細かくされており、横島の予測を越えそうな勢いの原因はそのサークルなようである


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