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真の歴史へ・その三

(これは予想以上に厄介な事になってるな)

火竜やガーゴイルが誰かの手により造られた存在なのはすぐにわかったカオスだが、同時に鎧兵士達までも人間ではない現状には驚きを感じていた


「早く手を打たねばなるまいな」

しばらくその場で何かを考え込んでいたカオスだが、予想以上の深刻な事態にとりあえずマリア姫の元に戻ていく



「これは……」

カオスが隣村のマリア姫の元に戻ると、そこにはマリア姫達に加え村人に頼んで運んで来て貰った人造人間マリアが居る

カオスはマリアを見た瞬間に驚きで言葉を失ってしまう


「カオス様、実はあの者達が……」

マリア姫は始めて驚きの表情を浮かべるカオスに驚きつつ令子達の事情を話して、その真偽を含めた対応を一任する

先程村人に頼んでマリアを持ち込んだ時は、マリア姫自身も信じられずどう判断していいかわからなかった

眠るように止まったままのマリアが動くとは普通は考えられない

マリア姫とてバロンの例が無ければ信じる事は無理だった


「私達は未来に帰りたいの。 力を貸してちょうだい」

未来に帰りたいと言う令子の姿をじっと見つめていたカオスだが、その表情は好奇心でわくわくした感じである

深刻な事態なのは重々承知だが、それでも未来から時空を越えて来たと言う話には好奇心が疼いてしまうのだろう


「うむ、帰すのは可能だが、その前に手伝って欲しい事がある。 とりあえず私の研究所に向かおう」

ニヤリと意味ありげな笑みを浮かべたカオスはマリア姫と令子達を連れて、近くの滝の裏側にある秘密研究所へ移動した


「とりあえずバロンとMー666のエネルギーを回復せんとな」

「Mー666?」

研究所に到着早々カオスはバロンにエネルギーを与える為の作業にかかるが、Mー666の言葉にマリア姫や令子達は不思議そうに首を傾げる


「面白いものを見せてやろう」

不思議そうな三人にカオスは、自信にも見える笑みを浮かべて部屋の奥の隠し扉を開く

次の瞬間、令子と西条はその中にあるものに驚きカオスを見つめる


「カオス様、あれは?」

「人造人間試作Mー666。 そこの二人と共に未来から来た者。 そこのマリア同じものだ。 まさか700年先まで稼動していたとは嬉しいぞ」

カオスの説明にマリア姫は驚きMー666とマリアを見比べ始めた

カオスがここの秘密研究所に連れて来た時点で令子達の話が真実かもしれないと理解していたマリア姫だが、それでも未来から来たなどという荒唐無稽な話の確証を見せられるとは思わなかったのだ


「さてお前達が未来に帰る方法だが、おそらくMー666……いやマリアが必要不可欠だ」

「マリアが?」

「いいか、時間や空間を越えるにはただジャンプする能力があればいいというものではない。 時空を見通し座標を直感的に把握する感覚も必要だ。 お前さんにはそれが備わっておらん」

カオスの説明を令子と西条は真剣な面持ちで聞いてる

令子も西条も現代のレベルではオカルトのプロでありエリートと言えるほど優秀だが、それでも時間移動の詳しい説明など知るはずがなかった

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