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GS試験再び!?

「俺は強くなるためにあんたに従っただけだ。 俺の戦いに余計な横ヤリを入れてくれた礼をしたかったんでね」

「初対面の相手にこんな事をしたくはないのですが、貴女は危険過ぎます」

メドーサが雪之丞と魔鈴に視線を送ると、二人もまた臆した様子もなく淡々と答える

そのあまりの手際のよさに半ば驚いていた小竜姫だが、横島が判断を仰ぐように見つめると小竜姫は静かに神剣を抜いていく


「どうやら勝因は人間だったようですね。 これで終わりです」

「確かにここまでのようだね。 勘九朗、引き上げるよ!」

小竜姫が神剣を振りかぶると同時に、メドーサは勘九朗に撤退の指示を出す



「逃がす訳ないでしょ!!」

「グウァァァ!!」

一方勘九朗とGS達の戦いだが、メドーサの声に一瞬動きが止まった勘九朗に令子はすかさず斬りかかる

僅かなタイミングで反応が遅れた勘九朗は右手を斬り落とされるが、試合場に火角結界を発動させて逃げてしまう


「人間の力じゃ、この場の全員でも火角結界は破れないわよ。 どうする、小竜姫。 今日は引き分けにしといた方がいいんじゃなくて?」

絶対絶命の立場にありながらメドーサの余裕がある態度は、流石としか言いようがない

小竜姫はそんなメドーサを攻撃すれば倒せるだけのダメージを与える自信はあるが、万が一失敗すればメドーサを逃がして会場も爆発されるのだ

最早メドーサの退治は諦めるしかなかった


「いいわ。 お前の勝ちよ」

「坊や、横島って言ったね。 随分調子に乗ったみたいだけど、次はないわよ。 雪之丞とそこの女もね」

小竜姫が剣を引くと、メドーサは横島達三人を睨みつけて会場を後にしていく

その後火角結界を小竜姫が止めてる間にカオスが解除して、事件は無事に終わることになるのだが……



「忠夫さん、よかった!」

ようやく一息ついていた令子達の前で、魔鈴は迷うことなく横島に抱き着いていた

過去に来て以来ずっと不安の連続だったし、メドーサが居ることで話も出来なかっただけに魔鈴も緊張の糸が切れたのだろう

しかしそんな横島と魔鈴の姿に、令子はムッとした表情でぶちギレる寸前である


「そういえば、先程はありがとうございました。 メドーサには逃げられましたが、おかげで犠牲も出さずに済みました」

周辺の空気が令子の殺気により凍りつく中、小竜姫は見知らぬ魔鈴に助けてくれたお礼を言う

突然横島に抱き着いた事には驚いたが横島の関係者らしいとわかったし、まずはお礼を告げるべきだと考えたようだ


「いえ、お役に立てたようでなによりです」

横島から離れ普通に挨拶する魔鈴に、周りの唐巣達は不思議そうな表情である

そもそも相手が誰なのか知らないのだから当然だが


「それで、貴女は誰なのかしら?」

額に青筋を浮かべた令子は今にもシバき倒さんばかりの迫力のある笑顔で横島を睨むが、そんな令子に爆弾を落とすのはやはり魔鈴である


「ご挨拶が遅れました。 私、魔鈴めぐみと申します。 イギリスに留学してましたが、この度日本に帰国しました。 忠夫さんとGS事務所を開くので、是非よろしくお願いします」

その涼しげな笑顔と爆弾をはらんだ言葉に、令子だけでなく周囲の仲間達も凍り付いてしまう



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