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その一

 第三話 小竜姫の野望



それはGS試験の前日…


「我、竜神の一族小竜姫の竜気を授けます……」

小竜姫は突然横島の頭を掴み、バンダナに竜気を授けようとしたが……


「しょ… 小竜姫さま~~」

横島は突然小竜姫に抱きつこうとした…

「キャッ!! よっ…横島さん…」

小竜姫は突然の横島の行動に慌ててしまった


ズルッ!!

横島は足を滑らせてしまった


「うわっ!!」

「キャッ!!」


横島は小竜姫を押し倒すような形に倒れ込んでしまった…


『チュッ!!』


気が付いた時には横島の唇と小竜姫の唇がくっついていた…


顔を真っ赤にして、呆然とする小竜姫


頭からは煙が出ていた


「よ~こ~し~ま~」


呆然とする横島に鬼のような形相の令子が迫る

「み… 美神さん… これは…」


横島は全身冷や汗で話すが…

聞いていなかった


「死ね!!」


バキボキバキボキ……


数分後、横島は血まみれになり倒れていた
 
「ごめんなさいね。 小竜姫様… まあ、虫に刺されたと思って忘れた方が…」

令子は申し訳なさそうに話した


「よ… 横島…さ…ん……」

小竜姫は顔が真っ赤のまま、横島を見た

そして、自分を落ち着かせて横島に話した

「あなたには2つの選択肢があります… 私の剣の錆びになるか… わ…私の夫になるか… です…」

小竜姫は落ち着いて話したが…


最後のセリフはまた顔が真っ赤だった


「ヒー!! 命だけはお助けをー!!」

横島はガタガタと震えだした


が…

しばらくして気が付いた


「夫……?」


固まった様子で横島は小竜姫を見た

小竜姫は顔を真っ赤にして、横島を見つめていた…


「ちょ…ちょっと! 小竜姫様! どういうことよ!!」


令子は凄まじい剣幕で小竜姫に言った


小竜姫はモジモジさせて話し出した

「その… 竜神族の掟なんです… 口づけをした人を夫にするのが…」

小竜姫の話に令子は納得いかない

「で… でも、横島よ?」

令子は焦ったように言った


「掟を守らねば、私が神族から追放されます。 横島さんを無礼討ちするのは可哀想ですし…」

小竜姫は困ったような顔で横島をチラチラ見ていた


令子は小竜姫があんまり嫌がってないのに驚き、不快感を露わにした


二人が見つめる中…


横島は……


「しょ… 小竜姫様の夫…… なんていい響きだ… 生きてて良かった~ お父さん、お母さん、忠夫は幸せになります」


一人妄想の中にいた…


「横島っ!!」

令子が叫ぶと横島は現実に戻った


「小竜姫様! 不詳横島忠夫、あなたの夫になります! 早く帰って初夜を…!」

横島は小竜姫に飛びかかるが……


チャッキ!


小竜姫の神剣が横島の首筋で止まる


「横島さん… 私の夫になるなら、まずは修行をして頂きます。 大丈夫ですよ。 才能があれば百年もあれば夫になれます」

小竜姫は笑顔で横島に話した


「えっ… 俺、百年も生きられないっすよ?」

横島は目を丸くするが…


「それも、大丈夫ですよ 横島さんには竜神になって頂きます。 不束者ですが、末永くお願いします」

小竜姫は嬉しそうに微笑んだ


横島は知らなかった…

小竜姫がずっと結婚したかった事実に…

小竜姫の怖さは神界で有名で、誰も嫁にもらってくれなかった事実を…


(うふふ… これで、私もやっとお嫁さんになれるわ~ セクハラ癖は直せばいいし、後は優しくていい人だからね♪)

小竜姫は心の中で喜んでいた


「いや… 俺、百年も待てないかな~ なんて…」

横島は逃げ出そうとしたが…


目の前には小竜姫が居た

「横島さん… まさか… 私から逃げようなんて考えてませんよね? もし、逃げたら… 人生の終わりだと思って下さいね」


小竜姫は笑顔で横島にプレッシャーをかけた
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