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GS試験再び!?

「よっ横島君、何をしに来たんだね?」

一触即発の空気を爆発させるような横島の言葉に唐巣は冷や汗を流して、この場から離そうと連れ出していく


「神父、お願いがあるんっすけど……」

小竜姫達の元を離れた唐巣に、横島は真剣な表情になり雪之丞との取引の件を話す


「それは本当かい!?」

「もちろんっすよ。 お願い出来ませんか?」

「ああ、任せてくれたまえ!」

横島の言葉を疑いもしない唐巣は急ぎ雪之丞が運ばれた医務室に向かう


「あら神父も来たのね」

二人が医務室へ向かうと、医務室の前ではエミと冥子が雪之丞を騙して証言を取ろうとしていたところだった


「横島君」

「大丈夫っすよ。 任せてください」

事情を知らないエミが不思議そうな表情をする中、横島は医務室に入ってしまう


「ちょっと、どういう事なワケ?」

「横島君が雪之丞君と取引をしたらしい。 証言と引き換えに雪之丞君の立場の保護でね」

唐巣の説明にエミは半信半疑だったが、唐巣が信じる以上余計な口出しはしなかった

元々エミは唐巣に頼まれてるだけなので、唐巣がそれでいいならいいと考えたようだ


「それで証言はするが、俺の立場はどうなる?」

一方医務室で目覚めた雪之丞は、横島と共にいる唐巣に単刀直入に自分の立場を聞いていた

約束だから証言はするが、捕まるなら逃げるつもりなのだろう


「君の立場は私が保障しよう。 君は私の依頼を受けて白龍会に接触したメドーサの内定捜査をしたんだ。 それでいいね?」

「あんたまで俺を信じるのか?」

横島が事前に言っていたとはいえ、あまりのお人よしに見える唐巣に雪之丞は驚きを隠せない


「君が何故メドーサの手下だったかは知らないが、君の証言があればGS協会は救われるんだ。 それに一度信頼が落ちたら取り返しがつかない。 この件は君が考えてるより遥かに重いのだよ」

一方驚きの表情の雪之丞を見て、唐巣はそれほど悪人ではないと感じていた

若い頃は誰でも力を求めるし道に迷うのだから、それを導くのも大人の役割だと唐巣は考えている

そういう意味でも、この取引は受けるべきだと判断していたのだ

道を外れかけた若者を救いGS協会も救えるこの件は、唐巣にとってこれ以上ない結果だった


「唐巣神父はGS協会にも顔が聞くわ。 すくなくともメドーサよりは信頼出来るワケ」

「証言するよ。 白龍会のメンバーはメドーサと取引したのさ。 奴は術と金を俺達に渡し、免許を取ったら奴の希望に合わせて妖怪達に手心を加える約束だった……」

最後にエミが駄目押しをして雪之丞は静かにメドーサとの繋がりを語り始める

それを聞いた唐巣達は勘九朗の失格手続きの為に医務室を後にし、その場には横島と雪之丞だけが残されていた


「これで奴の計画はパアだな。 奴はヒスを起こせば何をするかわからないぜ、どうする気だ?」

二人になった部屋で雪之丞は、面白そうな笑みを浮かべてしまう

まさか本当にあんな馬鹿げた取引が成立するとは思わなかったのだ

それが令子ではなくメドーサが見向きもしなかった見習いの横島の策だという事実が、雪之丞は特に面白いらしい


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