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新しき絆

横島の話に魔鈴は確信した


文珠は使うより売るほうがお金になるのである


文珠を使うより、売って高価なお札を使った方が安上がりなのだから…


横島の部屋は沈黙につつまれる


雪之丞は無言で口を挟まないし

横島は複雑そうな顔で考えていた


魔鈴はふと思い出した

あの時の表情を…


今の横島も普段とは違うが、やはりあの時とは全然違う


あの時の表情はいったい…


魔鈴が考えいたら横島が口を開いた


「魔鈴さん… 俺は美神さんを信じてますから…」

横島は苦笑いして話した


だが……

それは横島の嘘だった……


最早美神は信じていない……


だが、今は動く訳にいかない…


シロはいい

人浪の里に返せばいいのだから…


だがタマモは…


帰る場所も行く場所もない

正体がバレたら殺される


いや…、事務所からいなくなれば令子によって殺される可能性もある


お金と名誉の為なら妖怪の一匹など迷わないだろう…


横島はそう考えていた


魔鈴は真剣な眼差しで横島を見つめていた…

やはり…

横島は少し前とは変わったのかも知れない…

そう感じていた
魔鈴は見逃さなかった

苦笑いして令子を信じてると話した横島の瞳が一瞬変わったのを…


あまりに一瞬で感情はわからなかったが…

本心ではないのはわかった


そして、本心を隠して日々生活してるのでは…?


そんな疑問まで出てきた


普通なら考えすぎだろう

横島をよく知る人なは尚更そう思うだろう…


だが魔鈴は忘れられなかった


あの日の横島が…


強く暗く悲しい目をした横島が……


「横島さん、他人の私が言う事では無いですよね。 すいません。 でもしっかり考えて下さいね。 自分の能力の危険性を…」

魔鈴は言い過ぎたと思って、頭を下げた


あまり追い詰めるのはダメなような気がしたのだ


横島は魔鈴が頭を下げると、いつもの調子に戻った


「謝らないで下さい。 魔鈴さんが俺のこと心配して言ったのはわかってるすから… 少し考えてみますね」

横島は困ったように魔鈴に話した


「いえ、助けてもらったお礼に来たのに… すいません…」

魔鈴は少し後悔していた

お礼に来たのに横島を苦しめることになったから…


「いや… 謝んないでください。 ご飯をもらって謝られるのは困るっすよ」

横島は必死で魔鈴を元気づけようとした

「横島さんも雪之丞さんも、お金に困ってるなら私の店に来てください。 あまり高額な仕事は無いですが、お二人には簡単な仕事を回してあげますよ」

魔鈴は二人に新しい提案をした


この話なら横島も受けてくれるだろう


「本当か?」

その話に食い付いたのは雪之丞だった


「ええ、数百万の仕事ばかりてすが… お二人なら簡単ですし、少なくても生活費には十分ですよ」

魔鈴は笑顔で話した

「うーん… 確かにな~」


横島は少し考えている

「美神さんには内緒にしますよ。 依頼は雪之丞さんが受ける事にして、横島さんは手伝う形にすれば問題無いでしょう」

魔鈴は横島の悩みを理解してアドバイスをした


「それでいいじゃんか! 俺も正直、定期的に仕事があれば助かるしな… お前と二人なら大抵の奴は敵じゃないだろ」

雪之丞はかなり乗り気で横島に話した


雪之丞自身

過去の経歴と、人付き合いの悪さで

あまり仕事が無かった


今回の話はそんな雪之丞にはかなり有り難かった

「うーん、お前がそう言うならやってみるか? でも魔鈴さん本当にいいんすか?」


横島は魔鈴を気遣って話した

「私は店だけでも生活には困りませんから… GSは最初は人助けの副業のつもりでしたし… それに横島さんや雪之丞さんのような優秀な方が手伝って頂けるのは助かりますよ」

魔鈴は横島の優しさに笑みがこぼれていた


自分が心配していたはずなのに…


いつの間にか逆に心配されている


そんな横島の優しさが嬉しかった


「それじゃ、お願いしますね。」


横島は魔鈴に頭を下げた

「ええ、こちらこそお願いします。 それと、食べ物に困った時は来て下さいね。 毎日カップ麺はだめですよ。」

魔鈴は優しく二人に話した


「ありがとうございます」
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