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真の歴史へ・その二

その頃横島達の様子を覗いていたルシオラとタマモは、安堵の笑みを浮かべていた


「信じられんな…」

「あれがヨコシマなのよ」

一方ワルキューレとジークとヒャクメと老師の四人は、今回の結果には流石に驚きを隠せないようだ

神魔界でその名を馳せたメドーサと本当に話し合いを出来るとは、思わなかったようである


そしてそんな驚く面々に、ルシオラは笑って答えていた

メドーサの今後は不安材料ではあるが、未来よりはいい方に向かう可能性のキッカケにはなっただろう

少なくともメドーサと冷静に話をして、戦わずして帰ったのは大きな進歩と言えるのだ


「せめて尾行くらいすれば…」

「それはダメよ。 横島は真剣にメドーサを助けたいと思ってるんだから」

軍人であるジークは今回の事件で得られた情報が少なかった事や、メドーサの危険性から尾行をした方がいいと言うがタマモが即座に否定する

メドーサの場合は気付かれる可能性が高く、気付かれたら横島の努力が全て無駄になるのは明らかなのだから


「合理的でないのはわかるわ。 でもあれがヨコシマのやり方なの。 相手が誰であれ、信じると決めたら信じちゃうのよ」

心配するジークにルシオラは笑みを浮かべて横島の事を説明するが、プロの軍人であるジークやワルキューレには簡単には理解出来ないようだった



ルシオラ達がそんな話をしているうちに、横島と小竜姫が戻って来る

そして全員揃ったところで、元始風水盤事件の総括や今後の方針を話し合っていく


「とりあえず、黒岩達三人の戦闘データは分析待ちだな… どのくらいかかるんだ?」

「早くても2~3週間はかかるわ。 思ってた以上に謎の部分が多いから」

横島の問い掛けに答えるルシオラ

今回の最大の収穫であるヒャクメが記録した黒岩達の詳細なデータの分析は、ルシオラでもそれなりに時間がかかるようだ


「現時点での手掛かりは妖怪の密売組織だけですか…」

総括を続けていくのだが予想以上に成果が少ない結果に、小竜姫の表情は厳しい


「それに関しては、引き続き私とジークが行こう。 奴らとの戦闘の可能性がある以上、ヒャクメでは無理だろう」

現状で黒岩達に繋がる妖怪の密売組織の調査は、引き続きワルキューレとジークが行うことでこの日の話し合いは終わる



同じ頃、美智恵達はようやくホテルに戻っていた

部屋に戻るなり倒れ込むようにベッドに横になった西条は、今回の奇妙な事件を頭の中で整理していく


(今回わかったのは、小竜姫様と先生には何かあると言うことか…)

始めから今回の美智恵の行動に疑問を感じていた西条は、小竜姫と美智恵の微妙な関係に気付いている


(時間移動と関係あるのか? それとも別の何かか…)

いろいろ理由を考えていく西条だが、判断する情報が少な過ぎて答えがでない


(僕が先生や令子ちゃんを守らねば…)

西条の疑問は深まるばかりだったが、彼の視点はあくまで美智恵と令子の側だった

いかに小竜姫と美智恵の関係が微妙でも、まさか敵対に近い関係だとは西条は思いもしないようである

そんな西条は、何も知らぬまま歴史に巻き込まれて続けて行くことになる


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