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梅雨の終わり

その後、横島は車の運転免許試験の為に出掛けて行った

去年の冬休みから車の免許を取る為に教習所に通っていたが、半年かけて最近ようやく終えていたのだ

半年もかかった理由として横島自身いろいろやる事が多かったのもあるが、一番の理由は本人の中で免許の優先度が低いことだろう

免許はあって邪魔なものではないが、実際横島が車の運転をするのかと言えば微妙である

近場だと魔法のほうきを使い、遠方だと文珠で瞬間移動している横島にとっては車の必要性は低かった

まあ元々免許取得しようとしたのが令子のバイトを行かない為のアリバイだった事もあり、横島がそれほど免許が欲しかった訳ではなかったのである



さて残った魔鈴達は横島の話を聞きパピリオ達をどこに連れていくか相談を続けるが、なかなか妙案が浮かばない

仮に天竜が問題無くても、それ相応なりにいろいろ考えなくてはならないのは変わらないのだ


「横島って本当に適当なとこはとことん適当よね~ まあそれが上手くいく秘訣でもあるんでしょうけど……」

先程横島が語った理由はタマモも納得がいくものだったが、その理由があとづけなのはわかっている

訳があるから信じるのではなく、信じてから理由を考えたのだ

結局横島は自分の感性で行動するタイプなのだから、仕方ないと言えば仕方ないが


「まあ神魔と友達感覚で付き合うとは、普通考えもしないですからね。 横島さんだからこそ出来る事かもしれません」

横島が小竜姫やワルキューレ達と対等な友人関係なのはわかっているが、それを真似しろと言われても今の魔鈴には難しい

神魔を極端に差別や畏怖する訳ではないが、一定の敬意を払う事はしている

そもそも神魔の側が、人に対して対等な友人関係を築く事自体が珍しい

横島がいつからそうだったのか魔鈴にはわからないが、仮に第三者が横島と同じ行動をして上手く行くとは限らないのだ

と言うか横島以外ならば間違いなく上手く行かないだろう事は、常識的に考えればわかる


「それは先生の長所ではござらんか? 先生が誰に対しても変わらないゆえに、拙者達が此処に居るのでござろう」

「それはわかってるわよ。 ただ、世界はあんたが考えてるほど優しくないの。 周りの私達の最低限のフォローは必要なのよ」

何者に対しても変わらない横島の価値観や態度はシロにとってはただ尊敬するべき事だが、タマモや魔鈴にとっては尊敬すると同時に悩みの種でもある

無論横島ならば上手くやると信じているが、周りが最低限のフォローをしないと意外と抜けている事も多いのだ

常識を越える横島の価値観や行動を常識的にフォローする事は、やはり必要となる

まあ小竜姫やワルキューレ達は問題ないのだろうが、よく知らない天竜童子の扱いには最低限気を使う必要があると思うのだろう


「何処に行くとしてもそろそろ予約しないとダメなんですよね。 何人くらい集まるのでしょうか?」

夏場の観光スポットは人気がある場所ほど予約が必要となるのは常識である

とりあえず泊まる場所くらいは予約しないとダメなのだが、横島はそこはあまり考えてないようだった


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