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▼狐の夢・第2話の壱

『狐の夢』第2話の壱

「「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」」

静かな夜の森、一組の男女の荒い息遣いだけが聞こえる。
悪意・敵意などの邪な空気のみがこの森を支配していた。

「どないなっとんじゃー、話が違うやないかーっ!」

「そんなの私が分かるわけないじゃない、バカ横島っ!」

お互いにそんなことを喚きながらも、真っ暗な森の中を全力で走っている。

((立ち止まったらヤられる!!))

横島もタマモも同じ事を考えていた。

なぜこんなことになったのか……

…………

……

――――数時間前

「今日は前から伝えてあった通り、横島クンとタマモで霊障の調査にいってもらうわ。
依頼内容は、最近郊外の森で怪現象が多発しているらしいからその原因の解明。
簡単な仕事だとは思うけど、気を抜くんじゃないわよ」
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