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GS横島 運命と戦う者

「よ… 横島さんに… お話がありまして……」

小竜姫は声が上擦った

横島は顔が赤い小竜姫を見て首を傾げた

「夜中にわざわざ?」

横島は全く気が付いていなかった

これから告白されるとは全く思ってない…


小竜姫は今までに無い緊張感に包まれていた

どんな戦いや修行よりも緊張していた

もし横島に拒否されたら…

そう思うと怖くてたまらなかった


だが横島への気持ちは止まらなかった


「私は… 横島さん…… あなたが好きです……」

小竜姫は小さな声で横島に呟いた

静かな空間に小竜姫の言葉は響いた


「……………」


横島は固まっていた…

完全に思考が止まっていた


小竜姫は恥ずかしさで顔が真っ赤になって俯いて返事を待った…


その沈黙が永遠のように小竜姫は感じた

もしかして迷惑だったろうか…?


全く返事のない横島を恐る恐る見上げた


横島はまばたきもせずに固まっていた…


「あの~ 横島さん……」

小竜姫は赤い顔に目を潤ませ横島に話しかけた


「はっ!!」

横島は気が付くと周りをキョロキョロ見回して、何かを探していた


「横島さん…」

小竜姫はもう一度横島に呼びかけた


「しょ… 小竜姫さま…? カメラは無いですね… ドッキリですか?」

横島はドッキリかイタズラだと思って、カメラやパピリオ達を探していたようだった


「横島さん… 酷いです… 私が必死に告白したのに…」

小竜姫は泣きそうになっていた

小竜姫もまさか信じてもらえないとは思わなかった


「へっ!? 本気なんですか!? 俺みたいなダメ人間を!!」

横島は信じられなかった

横島自身は小竜姫に好意をもってはいた

自分を初めて認めてくれた女の人

いつも自分を見守ってくれている女の人

横島にとって小竜姫は憧れの女性だった…

「そんなこと言わないで下さい! 横島さんは立派になりました! とても魅力的な男性です!」

小竜姫は少し怒っていた

未だに横島は自分の評価が最低だったから…

「いや… 俺は全然ダメっすよ。 学校も留年したし、GSとしても半人前… 今だって小竜姫さまやルシオラ達に頼りっぱなしですから…」


横島は苦笑いしていた

「あなたと言う人は… 少しは自分の価値を理解して下さい。 私は横島さんが好きなんです! 横島さんは私やルシオラさんの価値を下げるつもりですか?」

小竜姫は横島があまりに自己不信なために呆れて説教モードに入りだした


「いや!! 小竜姫さまやルシオラはすごい人っすよ。 ああ、人じゃなくて神魔か… って小竜姫さまが俺を好き………!? 本当に!? 夢じゃないのか!?」

横島は完全に混乱していた


一人でブツブツ呟いている横島に小竜姫は緊張した気持ちが無くなっていた


「全く… あなたと言う人は…」

小竜姫は混乱が収まらない横島にゆっくり近づいて…


抱きついた!!


「しょっ!! 小竜姫さま!!」

横島は小竜姫に抱きつかれて、どうしていいかわからないようだった


小竜姫の甘い匂いに柔らかい体が横島を刺激する


「横島さん… もし私を少しでも好きで居てくれるなら抱きしめて下さい」

小竜姫は真っ赤な顔を横島の胸にうずめて話した


小竜姫は横島のたくましい体と暖かさを感じて、幸せで溶けそうだった…


「でも… 俺にはルシオラが…」

横島は必死で理性を呼び起こし、小竜姫に話した


「ルシオラさんは知ってます。 私に告白するように言ってくれたのはルシオラさんです。 もしルシオラさんの次でも私を愛してくれるなら……」


小竜姫は横島のぬくもりで、すでに幸せな気持ちでいっぱいだった

だが、横島の返事を聞かなくては…


「えっ!! ルシオラが… そんなバカな…」

横島には信じられない事態になっていた

「私が嘘をつくと思うんですか?」

小竜姫は真っ赤で幸せそうに微笑んだ顔で横島を見上げた


その瞬間

横島の理性は消し飛んだ

あまりに美しく綺麗な表情だった…


横島はいつの間にか、小竜姫をしっかり抱きしめていた


「小竜姫さま… 俺は小竜姫さまが好きです。」

横島は小竜姫を抱きしめたまま囁いた


「嬉しい…」

小竜姫は目を瞑った…
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