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二年目の春・9

「神様が実在してる世界って言ってたんだっけ。」

その後ザジと別れて、横島と少女達は異空間アジトに休養に来ていた。

横島が神族が実在してる世界の住人だと少女達は聞いては居たがあまり実感がないのが本音で、まさか横島が直接主神クラスの神族と関わったとは流石に考えてなかった。


「ぼこぼこにしたって……」

「主神と魔王を?」

「流石にねぇ。」

そして魔王が何気なく語っていた、自分とキーやんを横島一人でボコボコにしたという話には正直かなり誇張した話としか思えないでいる。


「本当に魔王が来たの?」

「はい。正直見た目からは分かりませんでしたが」

一方後夜祭の打ち上げを受け持ちのクラスの生徒としていた刀子と自身のクラスメートとしていた雪広さやかに、近右衛門と共に学園関係者と打ち上げをしていた穂乃香の三名は異空間アジトで合流したが半信半疑で説明を聞いていた。

あやかや千鶴に刹那でさえ真相が分からず、冗談だと言われても否定しきれない内容に困惑して聞いている。


「高畑先生。どう思います?」

「魔王というのは本当だろうね。 話した内容は何とも言えないけど。」

この場に今日来たのは他には高畑とアナスタシアにチャチャゼロや初音と鈴江なども居るが、アナスタシアはその件に関しては何故か口を閉ざしているし高畑も推測でしか理解してないようだった。

肝心の横島に関しては先程お風呂に入ったので、この場には居ない。


「概ね事実だな。奴の言い方は別にして。」

正直横島に聞いていいのか周りはみんな迷っていて、横島もまた話すべきなのか迷っているのが現状だ。

そんな現状に見かねて現れたのは、土偶羅の本体になる。


「土偶?」

「ハニワさんの友達?」

「ワシは土偶羅。この姿が本体なのだ。」

「……えっーーーー!?」

ちなみにあまり人前に姿を見せぬ土偶羅の本体はアナスタシアは別にして少女達は初めてであり、突然現れた土偶羅に本日二回目の少女達の驚きの声が響き渡った。

少女達にとって横島が土偶羅と呼ぶのは麻帆良に居る芦優太郎であり、そちらのイメージが強かっただけにショックを受けている者もいる。

別に本体があると聞いた者も居たが、まさか土偶のような容姿だとは思わなかったらしい。


「話を始めてよいか?」

「うん。」

「お願いします。」

一通り驚く少女達だが、土偶羅がため息混じりに話を始めようとするとすぐに静かになり頷いた。

いろいろ経験しただけに、このくらいならまだ冷静に話が聞けるらしい。

横島の謎が解けるかもしれない。

その事実に少女達は不安と期待に包まれながら土偶羅の言葉を待つ。


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