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その三

その後落ち着いた千鶴達に魔法の存在を明かし、昨夜の事件についても魔法絡みの事件だったと告げる

昨夜直接戦いを見た千鶴と夏美はともかくあやかは信じられないようだったが、目の前で見せられると信じざるおえない

まああやかの場合はネギが魔法使いだった現実にショックと興奮している方が多いが


「そんなことがあるなんて……」

「本来は魔法を知った一般人は記憶を消されるんだけど、今回は君達の希望を通せるように話をつけてある。 昨日の事件から全て忘れて元の生活に戻るか、覚えておいて隠して生活するかよく考えて欲しい」

全て忘れれば一般人に戻れるが覚えておく事を選べば、魔法使いと同様に守秘義務が課される事を告げると夏美は微妙に不安そうな表情になる

実際守秘義務に関しては夕映やまき絵達も同様なのでさほど問題ないが、横島の手元に居ない三人なだけに少ししっかり言っておく必要があった

最低限フォローはするが、横島とて彼女達が死ぬまで守れるとは限らない訳だし


「先生も魔法関係者なのですね?」

「厳密に言うとちょっと違うけどな。 俺は傭兵みたいなもんなんだよ。 麻帆良の警備は契約してるんでしてるが、魔法組織とは無関係だ」

ある程度の説明が終わり千鶴が横島の立場を確認するが、横島としては関係者ではあるが厳密に言えば違うと説明する必要があった

自身の強大な力を組織という第三者に貸す事は極力避けたい横島は自身と魔法組織との線をキッチリと引いているし、木乃香ですら正式には魔法組織に属してない

まあ木乃香の場合は西と東のどちらかに属すると新たな火種の元に成り兼ねないし、力や権力がないままに組織に属すれば父や祖父を追い落とそうとする第三者に付け入る隙を与えかねない

そんな微妙な立場から簡単には組織に属せないし、魔法組織から適度な距離を保つ横島の保護下が現状では最適なのである


「アスナさんが知っていたネギ先生の秘密を知らなかったなんて……」

一方あやかは明日菜とのどかがネギと妙に仲がよく何か秘密があるのを感じていたため、その内容を聞けた事には喜びを感じているのだが

明日菜がずっと魔法を隠していた事には悔しそうでもあった


「うっ……、仕方ないじゃん。 バレたらオコジョにされちゃうなんて泣き付いてくるし」

隠し事をしていた事に微妙に後ろめたさがあるのか、明日菜は困ったように言い訳をするがあやかはやはり悔しそうである


「小太郎、お前さえ良ければしばらく家に住むか? 流石に女子寮はキツイだろ」

千鶴達三人がそれぞれにいろいろな事を考え込む中、横島は暇そうな小太郎に思いも寄らぬ提案をしていた

その提案には木乃香達ですら驚き横島を見つめる

元々来る者は拒まない横島だが、自ら誰かを手元に置こうとするのはあまりないのだから


「えっ!?」

「まあ無理にとは言わんがな。 京都はあんまり合わないんだろ? ここなら那波さん達もいつでも会えるからいいと思うが」

驚く小太郎や千鶴達を説得するように語る横島だが、これはいろいろ考えた結果だった

千鶴達はいいかもしれないが、第三者の男が女子寮に出入りすればやはり目立つのだ

半妖の問題もあるし、もし何か問題が起きたら小太郎が辛い思いをするだろう

それにヘルマンの件で小太郎がまた狙われる可能性もゼロではないので、横島としては女子寮よりは手元に置いた方が対処しやすかった


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