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真の歴史へ・その二

それからあっという間に三日が過ぎて満月の日

横島達も美智恵達も、この三日間で新しい情報は全くと言っていいほど無かった


人間は嘗めてるメドーサだが、小竜姫の存在を警戒しているらしく予想以上に慎重なようだ



「ククク… いよいよだね。 小竜姫が来るよ」

朝から上機嫌なメドーサ、彼女の霊感が今日だと告げている


「すでに小竜姫達は香港に潜入している模様です。 こちらから仕掛けますか?」

「いや、せっかく来てくれるんだ。 風水盤で迎え撃つよ」

黒岩の問い掛けにニヤリと笑みを浮かべるメドーサ

今度こそ小竜姫と決着を着けたいが、どうせなら風水盤により魔界化した後に戦いたかった

やはり小竜姫に対しては油断する気はないようだ


「では我々3人は横島忠夫と他の仲間を始末します」

相変わらず表情の変わらない黒岩は、静かに部屋を後にする



そして美智恵達はと言えば…


「二人共準備はいい? おそらくメドーサは今夜の満月に元始風水盤を作動させるわ。 一瞬の油断が死を招く戦いよ。 心してかかりなさい!」

二人に気合いを入れる美智恵だが、内心穏やかではない

横島達の作戦や動きがほとんど読めないのだ

まあ、風水盤の場所はわかっているので、近くに行き様子を見るしかないと思っている


「メドーサとその部下相手に、三人で風水盤を阻止しろって言われてもね… 私は戦ったことないけど、小竜姫様と互角な相手とどうやって戦うの?」

相変わらず秘密主義な美智恵に、令子は少し不機嫌であった

何かしらの作戦があるのはわかるが、自分は駒では無いのだからきちんと説明して欲しいと思う

お金も儲からないのに、勝てない戦い向かうのは勘弁して欲しかった

しかも本来は自分には関係ない香港の問題なのだから、余計にやる気がでない

世界や平和を守るなら、守りたい人間が守ればいいと言うのが令子の考えであり、令子にその気はない

彼女はやはり美神令子であった


「令子、あなたね… 極秘らしいけど、この事件は小竜姫様達も動いてるわ。 おそらくメドーサの相手は小竜姫様がするでしょうね。 私達は元始風水盤の阻止と黒岩及び他の部下の逮捕が目的です」

やる気の感じられない令子に美智恵は苛立ちを覚えるが

確かにメドーサと部下が最低3名では勝てる作戦でもなければ、やる気がでないのは仕方ないと諦める


「先生! それなら協力要請をしては…」

小竜姫の名前に希望を見出だした西条は、表情が一気に明るくなる


「それは断られたわ。 足手まといは要らないそうよ」

うっすら殺気の篭った言葉に、西条は冷や汗を流す


(どうも先生と小竜姫様の間には、何かある気がするな…)

冷や汗を流しながらも西条は、美智恵の態度や表情が小竜姫達に関わると微妙に変わるのに気が付き始めていた

本来は人を守る存在であり、敬う対象にも関わらず美智恵にはそういった様子がない

どちらかと言えば警戒するような感じに、西条は疑問に思う


「小竜姫様が来るんじゃ私達行く必要無いんじゃないの?」

一方令子は当然のような疑問を感じる

小竜姫が解決してくれる事件に、何故わざわざ危険を犯して行くのか理解出来ない


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