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梅雨の終わり

(せめて横島さんが生きてる間は穏やかな環境を守ってあげたいのですが……)

魔鈴と同様に複雑な表情で考え込む小竜姫の表情は、横島の難しい現状を象徴している

最早神魔界において、横島の名前が消える事は未来永劫ないだろう

横島が望む望まないに限らず、アシュタロスを倒した現実を背負って行かなければならない

しかし戦士でも神族でもない横島が背負うには、あまりに重く険しい現実である


「小竜姫様、もう一つご相談があるのですが……」

一方少し考え込んでいた小竜姫に対し、魔鈴はパピリオの件に続きもう一つの相談を始めていた



その頃居間の方では、愛子とピートが人生で始めてのゲームをしている真っ最中だった


「西遊記の孫悟空とゲームしてる私って、貴重な体験をしてるのかしら?」

横島やパピリオに進められるまま初体験のゲームをしている愛子は、ふと今自分の居る環境がとても貴重なものではと思う


「考え過ぎでちゅ。 今はただのゲーム猿でちゅよ」

愛子のつぶやきに即座に考え過ぎだと言い切るパピリオは、横島の膝を枕にして楽しそうに漫画本を読んでいる

この漫画本も横島達がお土産に買って来た物であり、横島は来るたびにゲームやおもちゃや漫画や雑誌など様々な物をお土産に持って来ていた

日頃お金を使う機会がほとんどない横島が使うお金は、ほどが妙神山へのお土産だけに使っている


少し余談だが現在の横島の台所事情は、給料は店の見習いコックとGSの助手に別れていた

見習いコックの方は普通の平均的給料であり、GSの方も当初の約束通り純利益の三等分である

横島としてはGSを辞めた時点で除霊の給料は減らすか無くしてもいいと考えていたのだが、基本的に細かい事は魔鈴任せな為に魔鈴の考えにより変わらままになっていた

生活費や雑費や外食などの交遊費も、同じく基本的には魔鈴任せであり後で給料から引いてもらっている

お金に関しては過去の貧乏な生活や令子絡みで散々苦労した横島だが、現状では魔鈴がかなりしっかりしてる為に特に口出しする事はないようだ

まあ横島の給料は、ほとんど百合子の嘘の工作による税金対策に消えている

そのため一定の小遣いを決めて、その小遣いがほとんど妙神山へのお土産になっているようだ


ちなみにタマモとシロだが、二人の給料は店の見習いコックの分だけで除霊の出来高を抜いた横島と同額である

この二人に関しては妖怪な為か横島より更にお金に無頓着な為に、給料のほとんどが貯金になっていた

魔鈴としては横島達三人には毎月細かい明細を書いて渡してるのだが、実際三人共にあまり興味がないようだ

まあ三人の魔鈴に対する信頼の現れでもあるが、同時に三人の常識が欠落している証でもある

以前は令子に付け込まれた金銭感覚の無さや常識の無さが、相変わらず改善されてないという現実でもあったのだ



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