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卒業の意味

卒業式自体は普通の卒業式であった

愛子も卒業生として参加するが、来年も3年を続ける予定である


彼女の場合は来年の新入生と共に3年間過ごすと言う選択肢もあるのだが

危険が無いとは言え妖怪の愛子を怖がる生徒が出ればまずい為に、すでに慣れている来年の3年生と共に一年過ごすようだ


現在の学校内では持ち前の明るさと性格の良さで、みんなに受け入れられている

新入生もそんな愛子を知り慣れれば、怖がる生徒は出ないだろうと予想されるので、愛子は基本的に3年生に固定されるようだ



一方卒業式は普通の公立高校な為、来賓は学校関係者やPTAだけであった

長々と話をする来賓や校長、それに在校生代表や卒業生代表などが話をして、卒業証書授与になる


そんな卒業式の進行を静かに見守るタマモとシロ

知らないおっさんの長い話の時は、あくびをしたりするシロだが、全体的には静かに見ている

タマモは表情にこそ現さないが、様々な人間を見ていろいろ感じてるようだ


いよいよメインの卒業証書授与になり、少し緊張気味な表情で卒業証書を貰う横島の姿を、魔鈴達や百合子は暖かく見守っていた

そんな穏やかな卒業式はまだまだ続いてゆく



ここで少し時は戻って、横島の学校が卒業式を始めようとしていた頃

六道女学院の卒業式会場は日本武道館であった


普通科と霊能科合わせて500名にもなる卒業生

霊能科もエリートの集まりだが、普通科もエリートが多い

六道女学院の卒業生は、その上にある六道大学に入りやすいのだ

ほぼ望めばエスカレーター方式で入学出来る

しかも卒業後は、六道グループに就職出来る可能性が高いため、六道女学院は普通科もかなり人気である


さて六道女学院の卒業式の来賓だが、こちらは横島の学校とは別次元であった

GS協会の幹部クラスは勢揃いして出席しており、オカルトGメンからはもちろん美智恵と西条が揃って出席している


卒業生の保護者も大半はオカルト関係者が多いため、まるで日本のオカルト業界の大半が出席しているような感じであった


ただ、ここまで人が増えると中には卒業式に関係無いオカルト関係者も居る

「アイヤー、あなた凄いGSだと聞いてるネ。 ワタシの店何でも揃えるアル。 今度一回来て欲しいネ」

そう…

この厄珍もその一人で、会場にいるオカルト関係者にせっせと、粗品と名刺を渡して営業をしていた

厄珍のように、業界関係者に顔や名前を売ろうとする者も少なくない

また逆に、そんな関係者との繋がりを求めて、三流GSやオカルト関連の企業の関係者も多数集まる

そのため、日本武道館は内外で多数の人が混雑していた


無論来賓には普通科に関係した人も多い

六道グループ関係者や大学の関係者、それに政治家や六道家と関連の深い団体など一々名前を挙げたらきりがないだろう


そんな会場に、コブラで乗りつける者が居た


もちろん令子である

令子のことに気が付くと、多くの人の視線が集中する


尊敬や崇拝、または嫉妬や嫉みなど、本当に様々な視線が令子一人に集まっていた


(本当にウザいわね…)

英雄として注目を集めることが煩わしくて仕方ない令子だが、表面上は笑みを浮かべたまま歩いてゆく


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