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新しき絆

横島と魔族は接近した格闘で戦っていく…


魔族も弱くはない

だが、雪之丞との修行で動きが格段に良くなった横島には当たらなかった


横島は冷静に霊力のコントロールに気をつけながら戦っていく


「ちっ!! ただもんじゃねーな!! 何者だ!」

魔族は横島の高い霊力と戦いになれた動きに、驚き横島に怒鳴りつける


「別に… ただの見習いGS、横島忠夫だよ」


横島は息を整えながら魔族に話した


魔族は横島の名前に更に驚いた顔になる…

「横島忠夫だと!! なぜ貴様がここにいる!! まさか…魔神殺しに会うとは……」

魔族は少しずつ後ろに下がっていく

その顔には恐怖が見えていた

「何で俺を知ってるんだ? それに魔神殺しってなんだ?」

横島は驚いて思わず首を傾げる

「戯れ言を… 魔神アシュタロスを倒した影の英雄… 魔神殺しの横島を知らぬ魔族はいない 奇跡に奇跡が重なっても有り得ない事を成し遂げた人間… まさかここで会うとはな…」

魔族は驚きと恐怖を隠しながら横島に話した

しかし魔族にもう戦闘する意志は無いようだ


横島は一瞬悲しみに満ちた顔になる…

「俺は英雄なんかじゃない… 約束を守っただけだ… 大切な人との…」

横島は魔族を睨みつけて続ける

「戦闘する意志が無いなら去れ…」


魔族は横島の言葉に表情を変えずに聞いていた

「私を見逃すのか? 余裕か… なめてるのか…」

魔族はプライドを害された気分になり、少し怒りの表情になる


「別に余裕も無いし、なめてもない。 ただ魔族だからと言って全てを滅ぼす気はないだけだ…」

横島は無表情で魔族に話す

だがその瞳は悲しみに満ちていた


「なるほど… 噂通りか… 私もここで会ったのは偶然だ。 この場所から立ち去ろう… 次に会う時は、敵かな… 味方かな…」

魔族は一瞬微笑んで消えていった……


横島は後ろにいる、魔族と戦っていた人の元に行った


その人は結界の中で呆然と横島と魔族の戦いを見守っていた

「大丈夫っすか? 魔鈴さん」

横島は笑顔で魔鈴に手を差し伸べた


「横島……さん…?どうしてここに…?」

魔鈴はまだ信じられないといった表情で横島を見つめていた

「偶然近くを歩いていただけっすよ。」

横島はいつもの軽い調子で魔鈴に話した

魔鈴は横島の手をとり立ち上がろうとするが…

「イッ……」

足を怪我しているようで立てなかった

「大丈夫っすか? 結構傷が深いっすね~」

横島は魔鈴の傷が結構深いのを見て文珠を出した


【治】【癒】


キィィィーン


光と共に魔鈴の傷は傷跡も残さずに治った


「これで大丈夫っすよ。 女の子なんだから体に傷が残ったら大変っすからね~」

横島は笑いながら魔鈴を立たせた

横島は魔鈴の全身を見るが他に怪我は無いようだ

「後は大丈夫っすね。 良かった」

横島は安心したように微笑んだ


横島自身

半分は演技で半分は本心だった


いつものように、他人に対して明るく振る舞っていたが

魔鈴が無事で良かったと、安心して微笑んだのは素顔だった

一方魔鈴はまだ呆けた顔で横島を見ていた

なぜ横島が現れたのか理解出来なかった…

そして先ほどの横島の戦闘は、前の横島を知る者なら驚くほど落ち着いてしっかり戦っていた

それに一番驚いたのが横島の表情だった

見たことも無い真剣な表情で戦ってて

最後は、見ている方が苦しいほど、悲しみに満ちた表情もしていた


魔鈴は初めて見る横島だった


「本当に横島さんですか…?」

魔鈴は思わず聞いていた

「魔鈴さん… 俺の顔忘れたんすか!! うえ~ん!」

横島は魔鈴に顔を忘れられて、悲しくて泣いているふりをした

「いえ、忘れてませんよ! ただ横島さんがあんまりにも凄かったねで…」

魔鈴は慌てて否定した

「俺が凄い? これはもう愛の告白っすね! 魔鈴さんの愛を不肖横島が受け止めます!」

横島はいつものようにセクハラまがいに抱きつこうとした

「キャッ!!」

魔鈴は慌てて横島をかわした

「ううう… 避けられた! また嫌われたー!」

横島は地面に頭を打ち付けるような仕草でボケる

「横島さん、落ち着いて下さい。」

魔鈴は先ほどの横島と、今のいつもの横島

全く違う2つの横島を見せられて混乱していた

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