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二年目の春・8

結局この日は海で夕方までのんびりと過ごして終わることになり、ほぼ丸一日滞在してゆっくりと休んだ少女達は麻帆良に戻ることになる。


「おっし、始めっか。」

そして麻帆良に戻り朝を迎えると、3ーAの出し物であるレストランがプレオープンする日となった。

横島・木乃香・超鈴音・五月と他数名のメンバーは朝早くから仕込みの為に仮設店舗に集まり、雪広グループから仕入れた食材の確認をした後に調理に取り掛かることになる。

昨年の成績から食材も初日から大量に仕入れていて、専用の冷凍車と冷蔵車が冷凍庫や冷蔵庫代わりに使われる程だ。

今年のメニューわんこひつまぶしと揚げパンをメインに、ソフトドリンクとソフトクリームも販売する。

手間がかかるのはわんこひつまぶしなので、こちらは仕込の段階で大量に作っておく必要がある。

わんこひつまぶしの具は初日としては超包子の中華風が二種類に、横島が作った牛・豚・鶏の和風な具材が三種類に、生の海鮮が一種類になっていた。

海鮮は作業の手間を極力省く為に、マグロの赤身とサーモンを一切れずつにイクラを少量トッピングした、ミニ三種丼だけになっている。

量は小振りなお茶碗に半分程度で百円に統一した。

全体の戦略として去年以上の薄利多売を計画しているのと、会計の際の手間を極力省く為にわんこひつまぶしの値段を百円に統一したらしい。

一応目安としては五百円で丼一杯程度で、お腹もいっぱいになるというのがある。

正直なところ雪広グループの全面バックアップによりファミレスや回転寿司レベルの値段で、利益も十分に出る形になんとか出来ていた。


「こんなもんやろか?」

「うん。 いいと思うぞ」

この日は初日ということもあり、10時開店の5時閉店を予定しているが、それでも仕込み量は半端な量ではない。

大きな鍋で大量に作っていくので木乃香ですらあまり経験がないことで、少し戸惑いながら調理している。

ちなみにわんこひつまぶしの目玉である食べられる容器に関しては、ほんのり塩味の味付けをしたのが完成品となる。

最終的に出汁を入れて食べるのがベストだが、そのままでも食べれるようにしていた。


「というか服装が恥ずかしくない?」

それと今年の服装は動物の耳のカチューシャと、尻尾のついたメルヘンな衣装になっている。

露出度は控えめであるが、流石に中学生にもなってコスプレ紛いの服装に抵抗がある者も何人か居たが。


「でも制服だとイマイチだし」

しかし店のコンセプトはタマモが考えた、動物さん達の不思議なレストランなので、絵本も擬人化した動物さん達が登場人物であり少女達もそれに合わせた服装になるらしい。

暗躍するように衣装を決めたのはハルナだが、エロさや露出を抑えたのが彼女としては自制した方なのだろう。


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