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新しき絆

「雪之丞……」

横島は雪之丞の気持ちが嬉しかった

何か聞く訳でもなく、慰める訳でもない

だが、こうして力になって協力してくれる


「さあ、もう一回やろうぜ」

雪之丞が話すと横島は立ち上がった

そして再び二人は戦った


結局その日

横島は雪之丞に一回も勝てなかった


だが帰り道
横島はすっきりした顔になっていた

「雪之丞、助かったよ。 自分の実力がよくわかった。」

横島は苦笑いしながら話した

「格闘だけならこんなもんだよ。 実戦なら別だがな…」

雪之丞も疲れたような表情で話した

横島は一転真剣な表情になった

「雪之丞… 今日のことだけどな…」

横島がそう話すと雪之丞はわかったように頷いた

「別に誰かに言うつもりはないさ。 お前の邪魔はしない。」

雪之丞は前を向いたまま話した

「そうか… ありがとう…」

横島は雪之丞に軽く頭を下げた

パシーン


雪之丞は横島の頭を殴った

「いてーな… いきなり殴るなよ。」

横島は頭をさすって雪之丞に抗議する

「俺達はダチだろう? 頭なんか下げるなよ」

雪之丞は不愉快そうに話した


「ああ、そうだな…」

横島は苦笑いしていた



その日雪之丞は横島のアパートに泊まっていった

横島は朝早く学校に行ったが、帰ると雪之丞は居なかった

テーブルには置き手紙があり、

『また、来るぜ。 腕を上げておけよ』

と一言書き置きが残してあった



雪之丞の訪問は横島にとって得るものが多かった


自分の実力と現状を理解出来た

そしてその日からまた試行錯誤しながら、横島は修行をしていく…


雪之丞はと言うと、週に1~2回は横島のアパートに来て、一緒に修行していった


横島は自分の修行だけではなく、雪之丞に指導してもらい

実力をつけていった…



それから数ヶ月

横島は相変わらず、体にむちゃな生活を続けていた

だが、霊力の扱いに慣れてきていた横島は、怪我や疲労を体中に霊力を回して回復を早めて誤魔化していた

そして雪之丞が定期的に訪れるようになって修行は格段に進んでいた


霊力の基礎は元より、雪之丞の格闘スキルは横島にとって非常に大きい収穫だった


まだ、雪之丞の方が強いが、それでも何回かに一回は勝てるようになっていた


雪之丞はそんな横島の成長の速さに驚きつつ、強くなる横島と戦うのが楽しみになっていた


一方美神事務所は相変わらずだった

横島が訪れる日は少ないが、令子は毎週横島の文珠を2~3個奪っているため、あまり気にせずに

横島が仕事に事務所へ行くと、ストレス発散に横島を虐待して満足している

おキヌは横島に会えないのを多少寂しいようだが、元気で普段と変わらない横島を見ると安心していた

シロはたまに横島に散歩を付き合って貰えば満足だし

タマモは何か横島に違和感を感じてはいたが、普段の横島を見るとそれほど深刻には見えないため、口には出さなかった


そんなある日の深夜…


横島はいつもの場所で修行をして

瞑想をして霊力のコントロールをしていた

横島は突然、近くで力の変動を感じた

横島は霊視が苦手なため、何の力かわからなかったが、明らかに戦闘のようだった

横島が修行をしている相手は雪之丞だけなので、雪之丞も霊視など細かい能力は苦手なため

あまり霊視などは成長して居なかった


だが、横島の霊感が何かを訴えていた

「なんだ…? 誰かが近くで除霊してるのか?」

横島はとりあえず、確認してみることにした


横島が走って行くとその場所では下級魔族が戦っていた

横島は魔族と戦っている相手を見た

その瞬間

横島は走り出した

「サイキックソーサ!」

ビュー!!

バシュッ!!

サイキックソーサは魔族に当たり、魔族は後ろに下がって周りを確認し出した

「誰だ!!」


横島は魔族の注意を引くように魔族の前に出た

「魔族がこんなとこで何してるんだ?」

横島は魔族を睨みながら、魔族が戦っていた相手の前にゆっくり移動する


「貴様に関係無い!!」

魔族は横島に襲いかかる

横島は文珠を一つ後ろにいる人に投げた

【護】

その場に文珠の強力な結界が現れた…

そして横島は両手に栄光の手を出現させた

「ハンズ・オブグローリー!!」
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