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二年目の春・7

一方この日の放課後になると横島はあやかと夕映と超鈴音と共に納涼祭の会議に参加していた。

世界樹通り商店街との交渉がある程度纏まったことで麻帆良祭の前に正式決定して麻帆良祭にて宣伝をすることが内々に決定している。

なお実行委員会のメンバーにはアドバイザーとして新堂美咲が加わっていて、世界樹通り商店街との交渉の橋渡しの一翼もになっていてこの日の会議には世界樹通り商店街の幹部達と共に同じく会議に参加している。


「では以上の件でよろしいでしょうか?」

最終的に商店街は食に拘った祭りということで飲食店や食料品販売店では限定メニューの販売をする他、地場産品の販売やイベントなどで見掛ける大きな鍋で豚汁か芋煮などを振る舞うことが決まっていた。

その他にもステージを作りイベントなども行う予定で当初商店街の側が考えたより本格的な祭りになっている。


「続きまして麻帆良祭での素人料理コンテストの件ですが。」

そして実行委員会と商店街では協議を続けた結果、麻帆良祭において小さくてもいいから納涼祭に関連したイベントが出来ないかということになり素人料理コンテストを行うという案が浮上していた。

入賞者には納涼祭での出店権と賞金最高10万円という麻帆良祭にしては控え目ながらそれなりに人が集まりそうな褒美を考えてるらしい。


「へ~。 十万か。 いいな。」

「飲食店経営者やプロと他の料理大会入賞者は参加資格ありませんよ。 それに主催者が自分のイベントに参加して賞金を狙うなんてあり得ませんから。」

正直大学生達も商店街の側も忙しいのだが人材をかき集めて三時間ほどの短いイベントにするらしく、場所もお料理研究会が試食会をする為に設営したイベント会場を使わない時間に貸して貰う手筈になっているので手間はあまりかからないようだった。

横島は料理を作って10万円という賞金に少し興味を示すが当然ながら横島や木乃香に超鈴音の参加なんて認められるはずがない。


「いや流石に出ないから。 しかし素人に屋台を出させるのは面白いな。」

「当日はお料理研究会からサポートするメンバーも出すから気軽に出店できるようにするネ。」

食に特化した祭りにするならいっそ料理自慢の素人も屋台を任せてはいいのではとなったらしいが、流石にいきなり屋台を任せても失敗する可能性もあるのでサポートメンバーを付けるし事前にアドバイスをしたりして手厚いサポートをする予定のようだ。


「埋もれている人材を発掘出来て一石二鳥ヨ。」

「埋もれている人材か?」

「マスターや木乃香サンに続く人が納涼祭から出ることを期待するネ。」

この麻帆良祭でのイベントは実は超鈴音がかなり協力しているらしく、例の魔法公開計画が潰えた為に暇になった時間でこちらに協力しているらしい。

埋もれている人材を発掘出来ればと語る超鈴音の言葉に、横島と夕映はやはり以前の超鈴音とは違ったモノを感じた。

歴史というカンニングペーパーが紙屑となり現在と未来に純粋な希望と夢を持つようになった姿に二人は素直に良かったと感じる。

まあ夕映の方はまだ少し疑ってもいるが、それでも最近の超鈴音のイキイキとした姿を見ているとこのまま彼女が今を生きてくれればと心から願い見守っていた。


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