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二年目の春・7

「お前ら! この美人は誰だ!!」

「吐け!!」

「ふふふ、聞いて驚け! マホラカフェのマスターの元カノだ!」

「またあの人かー!!!」

野球観戦から一夜明けた翌日には少女達の家族が驚きや変化を喜んだりしていたが、騒ぎになったのは大学部の学生達もであった。

翌日大学生達は松岡選手との写真やサインの入ったボールなどを自慢げに見せびらかしていたが、何故かアナスタシアの写真やアナスタシアと一緒に撮った写真までも自慢げに見せびらかしていて騒ぎになっている。

納涼祭で一緒に後片付けをしたりしたし納涼祭の実行委員会に協力的だったりと大学部に関しては横島は評判がいいが、やはり美女美少女キラーとしてもそれなりに有名であった。


「あの人っていい人なんだけどなぁ。」

「可愛い子と美女を独占するの止めてくれないかな。」

「バカだな。 アナスタシアさんはマスターを追い掛けて海外から来ちまったんだぞ。 そんなレベルの話じゃねえ。」

「旅から旅をして旅先に恋人でも居たってか? 映画かよ!」

大学生達は横島を認めつつも独占は止めて欲しいとシミジミと語るが、不思議と憎しみや苛立ちが湧いて来ないのはかつての横島と今の横島が変わったからだろう。

アナスタシアに関してはアナスタシアが横島にベタ掘れであるという話が大学生にまで広まり始めているが、これまた疑う者はまず居ない。


「お前らなそもそも、そこの認識が間違ってる。」

「何が間違ってるんだ?」

「マスターが美女や美少女を独占してんじゃねえ。 美女や美少女がマスターを独占してんだ。 しかも協力して。」

「……もうぐうの音も出んな。」

美女美少女独占禁止法を学園で制定すべきだと語るアホも居るが、昨日一緒だったメンバーの一人は横島達の関係をある程度理解していて独占してるのは横島ではなく逆だと言うと大学生達はなにもしてない横島に負けたと敗北感に打ちひしがれる。

結果的に騒げば騒ぐだけアナスタシアや少女達に嫌われるのが理解できたのだろう。


「プレイボーイくらいなら大学生にも居るけど、あそこまで女の子から寄ってくる人も珍しいよな。」

「周りの子達って、確か大学部に見守り隊が居たよな?」

「ああ、静かに遠くから見守って、さりげなく助けるのが連中のポリシーらしい。 やり過ぎるとあのマスターに潰されかねないし。 オレも直接見た訳じゃないけど那波千鶴ちゃんの自称ファンの連中言ってたぞ。 怒らせると夢に出てくるほど怖いって。」

何故あれほど女の子が寄っていくのか割と真剣に話し合う大学生達だが、考えても推測は出来てもよく分からないというのが本音であり横島と少女達に関わる大学生達の話に変わるが、すでに有名人と化していて特に木乃香・夕映・のどかには見守り隊という極秘サークルが大学部にはあり納涼祭の協力者となったりして地味に横島達の行動を助けてる者もいる。


「今度はアナスタシアさんの女帝親衛隊とか出来そうだな」

「誰かが作る前にオレ達で作っちまうか?」

「大丈夫なのか?」

「嫌がることせんなら大丈夫だろ!」

とりあえず彼らは横島達の邪魔をすることだけは悪手だと理解しているようで、木乃香達のようにあまり目立たぬようにアナスタシアの親衛隊を作ろうと盛り上がり作ってしまうことになる。



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