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二年目の春・6

「おはなさんきれいだね。」

「ポー。」

同じ頃横島宅の屋上ではドジなハニワ兵と白いハニワ兵の二体のハニワ兵がタマモに手伝って貰いながら洗濯物を干していた。

横島宅には昨年の麻帆良祭で明日菜が輪投げでゲットした洗濯乾燥機があるが天気のいい日は天日干しをしていて、この日はシーツなんかの大物も洗濯している。

吹き抜ける風が気持ちいい屋上にて洗濯物が飛ばぬようにと洗濯挟みで固定したハニワ兵達だが、ふと気付くとタマモは屋上に置かれている鉢植えを眺めていた。

広い屋上は物干し竿以外は特に何もなく殺風景だったが、今年はハニワ兵達とタマモが鉢植えの花を少し育てているのだ。

屋上自体は洗濯物を干す以外は日頃タマモの散歩以外は家からあまり出ることがないハニワ兵達が日光浴をしたりしているのだが、少し殺風景なのが寂しく感じたらしく鉢植えの花を育て始めたらしい。


「そっか~。 はにわさんもうちにきてもうすぐいちねんなんだね!」

「ポー!」

風に揺れる洗濯物を眺めながら遠くに見える世界樹をふと見たハニワ兵は自前のスケッチブックに、自分がここに住むようになったきっかけをふとタマモと白いハニワ兵に書いて教え始める。

元々ちょっぴりドジで仲間のみんなにも迷惑をかけていたらしいハニワ兵であるが、配達の仕事で異空間アジトから横島宅に荷物を届けに来たらついうっかりさよに見つかったのが始まりなのだ。

横島の思い付きでさよの友達というか話し相手に任命されたハニワ兵はなし崩し的に横島宅に住み始め、それからはタマモが来たり白いハニワ兵が来たり美砂達やチャチャゼロが遊びに来るようになったりと最近は賑やかな毎日であった。

大好きな洋服作りも順調で芦コーポレーションのインターネット通販でも可愛らしい服が結構人気で売れ始めているし、ハニワ兵手作りの服が欲しいと昨年から口コミで広がった洋服の注文製作も未だにリピーターなどが居てコンスタントに洋服作りをしてる日々である。

インターネット通販の方は生地を雪広グループを通して仕入れ異空間アジトに送り友人のハニワ兵達が製作して販売するという仕組みで販売していて、デザインはみんなで考えているので何故か社長にされている横島宅のドジなハニワ兵は最近はその話し合いに異空間アジトに戻ることもあった。

利益は土偶羅の様々な工作資金になったりハニワ兵達が地球の物を購入する時の費用として使ったりと、ただ貯めるばかりではなくきちんと消費もしている。

ちなみに横島宅のドジなハニワ兵が日々の生活や出来事にタマモの成長を日記のように書いて異空間アジト内にて公開してるブログは異空間アジトで大人気であり、麻帆良と異空間アジトを繋ぐ一つの架け橋にもなっている。

エヴァが魔王だと異空間アジトにて最初に知られたのも実はハニワ兵のブログであり、タマモとチャチャゼロと並んで高笑いしてる姿写真や動画なんかも載っていて人気らしい。


「まほらさい、たのしみだね!」

今年の麻帆良祭はハニワ兵達も一緒に行こうねとタマモは言っていて、チャチャゼロも誘って麻帆良祭見物する約束をしている。

いつの間にかドジなハニワ兵は異空間アジトでも有数の有名ハニワ兵となり、ちょっとした人気者となっていて麻帆良祭の見物レポートも異空間アジトのハニワ兵達は楽しみに待っていた。

チャチャゼロが来るまで三人はしばし屋上でおしゃべりをしながら楽しい一時を過ごすことになる。



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