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二年目の春・6

「へ~、今日は串揚げなんだ。」

さてのどかの二位とクラスの三位を祝うパーティが始まるがこの日は横島ではなく木乃香達がメインに用意した料理は串揚げだった。

具材は肉・魚・野菜と豊富に用意していて、揚げるのもカセットコンロを使い目の前で揚げて油を切ったらすぐに熱々のまま食べるようにしたらしい。

他には女の子らしくカロリーの低い料理や野菜スティックとディップを用意するなどしているし、超と五月も点心など中華料理を幾つか作ったので相変わらず中学生らしくない品数の多いパーティになる。


「でもさ、本屋ちゃんも凄いけど一年の時はずっと最下位だったなんて思えないね。」

揚げるのは主に横島と木乃香がしていて途中からは超と五月が変わっていたりするも、他はのんびりとおしゃべりをしながら食事を楽しんでいた。

余り物のスイーツも出されたのでそちらを何個も食べる少女が居たりするが、話題はやはりテストと麻帆良祭であった。

テストに関しては横島の山かけもそうだが、昨年の後半くらいからは高畑がクラスの教え子のことを一人一人細かく気にかけているなど日々の変化が前回の三学期のテストや今回のテストには特に影響している。

高畑の勉強の教え方も以前は少し上手くないと感じた部分があったりしたが、ここ最近は高畑も教え方を勉強してるらしく分かりやすくなったことも大きい。

ここまで安定するには一人や二人の努力や変化というよりは多くの人の変化や努力とがあった結果なのだろう。


「次は負けませんわ。」

「私も負けないように頑張ります。」

なお本日の主役でもあるのどかはあやかにライバルとして次は負けないと宣言されて堂々と受けて立っていた。

テストの成績をあまり気にしてなかった葉加瀬は特にショックはないようだが、あやかは同じく忙しいのどかの躍進に自分も負けてられないと触発されたらしい。


「意外なライバルが生まれたね。」

「ほらマスター。 私の為に争わないで!って言ってあげないと。」

「私が話してるのはテストの成績のことですわ!!」

ただ大人しく争いなんてしそうにないのどかとあやかに生まれたライバル関係に周囲が物珍しげに見つめるも、ハルナは少し意地悪な笑みを浮かべてチャチャを入れるがあやかはムキになり即否定する。

横島の周囲では明日菜ですら気持ちを自覚してるのに協力者という立ち位置から入ったためか、未だに自分の気持ちをはっきりさせないあやかは時々ハルナや裕奈に美空などのクラスメートにからかわれることが多い。


「そこまで否定せんでも……。 社交辞令のつもりで笑って受け流してくれてもいいと思うんだが。」

ちなみにあやかに即否定された横島は、流石に少し悲しそうにもう少し優しく否定してくれてもいいのではとぼやいていた。

もちろん嫌われてないのは理解してるし良好な関係であることに変わりはないが、あまりにはっきり否定されるとそれはそれでショックらしい。

そして弱った横島をいつの間にか慰めている桜子の姿があるところまでいつもの流れであった。

照れ隠しくらい気付けよと周囲は思うが横島には照れ隠しのように否定され続けた、美神令子という前例があるので通用しないようである。



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