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香港編

さて肝心の調査については魔鈴は使い魔を用いて情報収集をしていたが、令子達にはそんな器用な方法はなく地道に自分の足で調査をしていた。

そんな令子達はそれぞれ別れて情報収集をしているが、夜に令子の部屋に全員で集まり話し合いをするのが日課になっている。


「なあ、これ食っていいか?」

「好きにしなさい!」

この日も全員で集まり集めた情報の交換と分析をするGS達だが、横島・雪之丞・タイガーの三人ははっきり言うとやることはない。

適当におしゃべりをしたかと思えば、雪之丞が部屋に必ずある高級フルーツを一応令子に断りを入れて食べるくらいである。

雪之丞とタイガーは競うようにフルーツをがつがつと食べるが、流石に横島は一歩引いておりそれはそれで目立っている。

ただ横島としては精神年齢がいい歳なので、どうしても恥も外聞も気になってしまう。

加えて下手に令子に借りは作りたくないので、フルーツには手を付けて無かった。

尤も令子はフルーツの一つや二つ誰が食べようが気にもしてないが。


「やはり何かしらの風水術だろうね」

やる気がないというか調査には役にたたない横島達を見て令子や唐巣は微妙にため息をはくが、彼らも内心では横島の変化が気になっている。

令子は元より唐巣もGS試験後の横島とは何度か仕事を一緒にした結果、その変化が気になってるらしい。


「例えば~、元始風水盤とかかしら~」

「それは、失伝したって言う幻の風水盤でしょう? 今じゃただの伝説だって信じない人も居るじゃない」

数日の調査の結果、メドーサ達の行動に風水が関わってることは判明している。

すでに勘九朗を監視していた魔鈴も風水師をイケニエにして針を製作する場面を目撃していた。

現状では風水盤で何をしょうか調査しているのだが、冥子が突然元始風水盤の話を持ち出してしまう。

そもそも元始風水盤は風水師の間で伝わる伝説のようなモノだった。

風水盤一つでありとあらゆる物をコントロールすると言われる伝説の風水盤である。

しかし現代ではすでに使える者など居るはずもなく、神話やお伽話の類の真実が誇張された話だと考える者も少なくない。

そんな真偽のはっきりしない伝説を突然持ち出した冥子に、令子やエミは呆れた様子で否定していた。


「あながち間違いとは言えんぞ。 理論的には風水術の究極が元始風水盤であり不可能ではない。 尤もワシも風水術は専門外なので詳しくは言えんが、地脈をいじれば東アジアを混乱させることくらいならば可能じゃ」

突然夢のような伝説を持ち出した冥子に令子達は呆れていたが、魔鈴とカオスは内心驚いている。

魔鈴達はいかに自分達以外から元始風水盤にたどり着かせるかをここ数日考えていたが、まさか冥子が真実にたどり着くとは思いもしなかったらしい。

ただ冥子は風水には詳しくないので、半ば誇張された伝説である元始風水盤しか知らなかったというオチがあるのだが。

しかしカオスはそんなチャンスを逃すはずもなく、元始風水盤に関して有り得ることだと話し合いの方向性を誘導する。



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